登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (3), (4), (5) |
登録年 | 1997年 |
ヘルクラネウムは「ポンペイ、ヘルクラネウム及びトッレ・アンヌンツィアータの遺跡地域」の構成資産の一つ。79年のヴェスヴィオ火山の噴火によって埋没した街の一つで、ここはポンペイと比べて保存状態が良いことでも知られます。ところで、ヘルクラネウムはなぜ世界遺産なのでしょうか?
ここではヘルクラネウムがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ヘルクラネウムについて詳しくなること間違いなし!
ヘルクラネウムとは?
州都ナポリから南東へ約8kmの位置にある都市で、現在はエルコラーノと呼ばれています。ここはギリシャ人によって設立されたという伝説が残り、街の名前もギリシャの英雄ヘラクレスに関連しているとされるもの。79年のヴェスヴィオ火山が噴火すると、溶岩や灰などが20mほども覆ってしまい、街は埋没。1709年に偶然発見されるまで、1600年もの間、ずっと埋まっていたため保存状態は良好。
ポンペイとは違い、土石流が冷えて固まり、当時の邸宅の彫刻やモザイク、壁画などは保存状態が良いのが特徴です。1981年には55以上の人骨が発見され、ローマ人は火葬だったために当時を知るための資料として貴重。近くの「パピルス荘」は偶然にも1800巻にも及ぶパピルスが発見され、現在でも解読が続いています。
ヘルクラネウムはどんな理由で世界遺産に登録されているの?
ヘルクラネウムが評価されたのが、以下の点。
登録基準(iii)
ポンペイとヘルクラネウムは、火山灰という自然現象によって見事に保存された世界でも例がない都市であり、トッレ・アンヌンツィアータにはローマ時代の保存状態の良い壁画があるという点。
登録基準(iv)
遺跡に残る建築物や装飾、日常道具など、紀元前1世紀から紀元1世紀までのローマ時代の生活の様子が分かるということ。
登録基準(v)
これらの遺跡は、ローマの都市と別荘の優れた例であり、ローマ時代の生活の様子が絵画から分かるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
ヘルクラネウムは、噴火によって街そのものが覆い尽くされ、ローマ時代の都市の暮らしがそのまま残されていていて、当時の様子が分かるという点で評価されています。
ちなみに、ヘルクラネウムでは発掘当初、人骨が発見されていなかったので、住民はすべて逃げ切ったのかと思われていたのですが、海岸のボートハウス跡に大量の人骨が発見されたことから、助けを待っていた時に火砕流に巻き込まれたと考えられています。中には指輪を付けていた女性もいて…大自然の恐ろしさを現在に伝えています。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。