イタリアの世界遺産「トリノ王宮」とは?世界遺産マニアが解説

登録区分文化遺産
登録基準(1),(2),(4),(5)
登録年1997年

トリノ王宮は「サヴォイア王家の王宮群」の構成資産の一つ。サヴォイア公国(1416〜1720年)がイタリア北部のトリノへと遷都すると、ここはサヴォア家の宮殿となり、やがて王国の中心地へと発展していきました。ところで、トリノ王宮はなぜ世界遺産なのでしょうか?

ここではトリノ王宮がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、トリノ王宮について詳しくなること間違なし!

目次

トリノ王宮とは?

トリノ王宮
画像素材:shutterstock

ピエモンテ州の州都であるトリノは、フランスにルーツを持つサヴォイア家がサヴォイア公国を開いた場所で、16世紀になると首都となりました。中心部にある豪華な王宮はサヴォイア家がトリノに遷都した後、16〜17世紀にかけて建造されたシンメトリーな建造物です。17世紀には建築家フィリッポ・ユヴァラによってバロック様式の設計が施され、豪華絢爛な装飾が加えられました。

1946年に博物館となり、現在でも戴冠式が行われた部屋が残っていて、特に武器や防具が多く並ぶ「武器博物館」は圧巻。王宮の裏側には庭園が広がっていて、ここはヴェルサイユ宮殿の庭園を設計した、造園家のアンドレ・ル・ノートルが担当したことで知られます。

トリノ王宮はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

トリノ王宮
画像素材:shutterstock

トリノ王宮が評価されたのが、以下の点。

登録基準(i)
サヴォイア王家の王宮群は、優れた建築家によって何十年にも渡って建造されたバロック様式の芸術的建造物の傑作であるという点。

登録基準(ii)
サヴォイア王家の王宮は、17〜18世紀に流行したバロック様式によるヨーロッパ全体の価値観の交換を反映していて、これにより建築物にも創造性が表れているということ。

登録基準(iv)
サヴォイア王家の王宮は、バロック様式の傑作であり、サヴォイア王家の支配力を示す記念碑的な建造物であったという点。

登録基準(v)
文化と自然が組み合わせた、サヴォイア王家の王宮は、後にイタリアを統一するサヴォア家が主導し、郊外の田園地帯などに建築物を築き上げ、都市部分と合わせて権威を示すという計画であったということ。

世界遺産マニアの結論と感想

トリノの王宮は、ヨーロッパで流行したバロック様式の宮殿であり、後のサルデーニャ王国へと勢力を拡大するサヴォイア家の財力を示すという点で評価されています。

ちなみに、館内にある豪華なダンスホールは、チャールズ3世とダイアナ妃が昔、ダンスを踊ったことでも知られています。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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