大阪府の世界遺産「田出井山古墳（反正天皇陵）」とは？世界遺産マニアが解説

田出井山古墳（たでいやまこふん）は「百舌鳥・古市古墳群-古代日本の墳墓群-」の構成資産の一つ。百舌鳥古墳分の中でも北部にあり、第18代反正天皇の陵墓とされる古墳。ところで、なぜ世界遺産なのでしょうか？意外と知ってそうで知らない！

ここでは田出井山古墳なぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、 田出井山古墳について詳しくなること間違なし！

田出井山古墳（反正天皇陵）とは？

田出井山古墳は百舌鳥古墳群の中でも北側に位置する前方後円墳で、第18代反正天皇（はんぜいてんのう）の陵とされています。墳丘長は148m、高さ14.8mと、百舌鳥古墳群でも6番目の規模の古墳で、他の天皇陵と比べると少し小さいもの。反正天皇は5世紀前半に実在したとされる人物で、古墳そのものも出土品から5世紀中頃に建造されたと予測されています。

現在は一重の周濠が存在しますが、1980年と1987年の堺市と宮内庁の調査から、内濠と外濠が存在していたことが分かっていて、埴輪などが設置されていました。その埴輪を調査したところ、近くにある反正天皇の陵墓参考地である「土師ニサンザイ古墳」よりも時代が遡るものとされています。

田出井山古墳（反正天皇陵）はどんな理由で世界遺産に登録されているの？

田出井山古墳が評価されたのが、以下の点。

登録基準（iii）
百舌鳥・古市古墳群は、日本全国にある16万もの古墳の中でも、古墳時代を代表するもので、この時代の社会構造や階級、高度な葬送文化を示すものであるという点。

登録基準（iv）
百舌鳥・古市古墳群は、古代の東アジアにおいても優れた陵墓で、埴輪や葺石（ふきいし）で覆われた墳丘は階層社会の確立を示しているということ。

世界遺産マニアの結論と感想

田出井山古墳は少し規模が小さいものの、天皇の陵墓らしく、古墳が築かれた時代の日本の社会や葬送の文化がよく分かるという点で評価されています。

ちなみに、なぜ反正天皇のものとされる田出井山古墳がこんなにも小さいのかは謎とされています。しかし、反正天皇は兄である履中天皇（りちゅうてんのう）から命じられて、異母兄弟を暗殺させたこともある上に、彼の治世は5年しかないとされているので、なにかしら政治的意図があったのかもしれませんね…。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。