イタリアの世界遺産「ポンペイの秘儀荘」とは?世界遺産マニアが解説

登録区分文化遺産
登録基準(3), (4), (5)
登録年1997年

ポンペイの秘儀荘は「ポンペイ、ヘルクラネウム及びトッレ・アンヌンツィアータの遺跡地域」の構成資産の一つ。ところで、ポンペイの秘儀荘はなぜ世界遺産なのでしょうか?

ここではポンペイの秘儀荘がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ポンペイの秘儀荘について詳しくなること間違いなし!

目次

ポンペイの秘儀荘とは?

ポンペイの秘儀荘
画像素材:ElfQrin(Wikimedia Commons)

ポンペイの郊外にある秘儀荘は、1910年に発見された邸宅跡。ここはポンペイ市壁の外に位置していていて、ポンペイ市内同様にヴェスヴィオ山の噴火による火山灰で埋没していました。「秘儀荘」とは、当時の南イタリアで流行していた「ディオニュソス秘儀」の壁画があることから、このように呼ばれています。

ディオニュソスはゼウスの子とされていて、特に南イタリアで崇拝されていました。壁画には儀礼所の朗読や鞭打ちなどが描かれていますが、これはディオニュソス秘境の儀式の入信儀式の様子が描かれていると考えられています。それらは鮮やかな赤地で描かれていて、硫化水銀(辰砂、しんしゃ)が使用されたもの。

ポンペイの秘儀荘はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

ポンペイの秘儀荘
画像素材:shutterstock

ポンペイの秘儀荘が評価されたのが、以下の点。

登録基準(iii)
ポンペイとヘルクラネウムは、火山灰という自然現象によって見事に保存された世界でも例がない都市であり、トッレ・アンヌンツィアータにはローマ時代の保存状態の良い壁画があるという点。

登録基準(iv)
遺跡に残る建築物や装飾、日常道具など、紀元前1世紀から紀元1世紀までのローマ時代の生活の様子が分かるということ。

登録基準(v)
これらの遺跡は、ローマの都市と別荘の優れた例であり、ローマ時代の生活の様子が絵画から分かるという点。

世界遺産マニアの結論と感想

ポンペイの秘儀荘は、火山灰によって奇跡的に保護され、壁画からは当時の人々の信仰の様子が分かるという点で評価されています。

ちなみに、ディオニューソスはローマ神話ではバックスと呼ばれ、ぶどう酒と酩酊の神。ゼウスの浮気相手であるセメレーの子とされていて、神話では彼がワインの製法を人類に伝えたというほど。特に女性に人気があったらしく、数多いる神々の中でも「推し」が多かった様子。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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