登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (7), (9), (10) |
登録年 | 1994年(2005年拡張) |
スペイン南部アンダルシア州にあるドニャーナ国立公園は、グアダルキビール川の河口に位置していて、ここはサンゴ礁や湿地帯、森林、移動砂丘などさまざまな地形が見られるスペイン最大の自然保護区。毎年50万もの水鳥が越冬し、絶滅危惧種のスペインオオヤマネコやイベリアカタシロワシも生息していることで知られます。
ここではドニャーナ国立公園がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ドニャーナ国立公園について詳しくなること間違いなし!
ドニャーナ国立公園とは?伝説の都市アトランティスだった?
ドニャーナ国立公園はスペイン南部を流れるグアダルキビール川の河口に位置する国立公園。ここは3つの県にまたがる500平方km以上の面積を持つ広大な公園で、サンゴ礁や湿地帯、森林、移動砂丘などさまざまな地形が見られ、スペイン最大の自然保護区でもあります。
実はこのエリアはローマ時代、湖でありましたが、現在は堆積物によって広大な湿地帯へと変化しました。そして、中世からこの地は王族の狩場として利用されていて、人が定住することがほぼなく、保護されてきたというのが特徴。
地形
もともとは湖であったために湿地帯が半分以上を占めていて、季節ごとに地形が大きく変わり、雨が降るとラグーンとなるというのも特徴。海岸沿いにはサンゴ礁や干潟、そして、動く砂丘「ドゥナス・モピレス」が存在します。ドゥナス・モピレスは高さは40mもあり、年間6mも移動するというもの。内陸には雑木林が見られます。
生態系
公園内には自然環境もさまざまで、多様な動植物が生息しています。毎年50万もの水鳥が越冬し、アオサギの営巣地としては地中海最大。絶滅危惧種のスペインオオヤマネコやイベリアカタシロワシも生息しています。特にスペインオオヤマネコは、スペインでしか見られない固有種で食料であるアナウサギも絶滅危惧種となり、現在は200匹程度生息。
伝説の都市アトランティスだった?
ちなみにこれは世界遺産に関係ありませんが…2009年の調査の後、ローマ時代の遺跡だと思われるものが、ギリシャの哲学者プラトンが記した伝説の都市アトランティスのものではないか?という発表がありました。都市には防波堤があったという記述があったため、それらしき遺構を調べると、高度な「技術力」によって建造された防波堤と考えられ、一時的に盛り上がったものです。
ドニャーナ国立公園はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
ドニャーナ国立公園が評価されたのが、以下の点。
登録基準(vii)
ドニャーナ国立公園は、湿地帯や移動砂丘、森林、サンゴ礁など、ひときわ美しい自然が残るという点。
登録基準(ix)
ドニャーナ国立公園は、ローマ時代は湖であり、さまざまな生態系が見られ、ここは毎年50万もの水鳥が越冬するほどの豊かな土壌であるということ。
登録基準(x)
ドニャーナ国立公園には、絶滅危惧種のスペインオオヤマネコやイベリアカタシロワシ、アナウサギなどの生息地でもあるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
ドニャーナ国立公園はスペイン最大の自然保護区というだけあって、湿地帯や移動砂丘、森林、サンゴ礁など、さまざまな地形が見られるという点で評価されています。そして、この豊かな土壌には多くの水鳥が渡来し、冬を越すというのも特徴で、さらに絶滅危惧種のスペインオオヤマネコやイベリアカタシロワシも生息するというのもポイント。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。