登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (4), (5) |
登録年 | 1999年 |
ホルトバージ国立公園は、ハンガリー東部に広がるプスタ(大平原)の一部が登録されているもの。ここは2000年に渡って遊牧民によって利用され続け、ラツカ羊(ハンガリー最古の羊種)や灰色牛などが放牧されてきました。そして、ホルドバージの街の近くには、ハンガリー最古であり、国内最長の石橋や旅籠などが今でも残っています。
ここではホルトバージ国立公園-プスタがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ホルトバージ国立公園-プスタについて詳しくなること間違いなし!
ホルトバージ国立公園-プスタとは?
ハンガリー東部に広がるプスタ(大平原)は、ドナウ川の支流ティサ川沿いに広がり、2000年以上に渡って放牧が行われてきた地で、そのうち約750平方kmの敷地がホルトバージ国立公園として登録されています。ここは牧草地だけでなく、ステップや湿地、三日月湖、沼地などが点在。
ここで自生するアルカリ性の牧草は、更新世(258〜1万年前)の終わりからこの地に存在していて、先史時代から多くの民族がこの地を訪れて暮らしてきましたが、現在のマジャール人(ハンガリー人)が暮らし始めるのが9世紀頃。13世紀になると、ホルトバージの街が形成され、その頃には牧畜が行われてきました。
街の郊外に残る9つのアーチを持つ石橋は18世紀家から19世紀初頭にかけて建造され、こちらはハンガリー最古あり、最長の石橋。そして、プスタには遊牧民のために建造された、石とレンガ造りの歴史的な旅籠も点在。ここは遊牧民が牧草地を利用し続けたことにより、自然と調和された建造物が点在し、文化的景観として評価。そして、生活習慣や手工芸を含めて伝統的な放牧は、彼らの生活でも生き続けています。
ホルトバージ国立公園-プスタはどんな理由で世界遺産に登録されているの?
ホルトバージ国立公園-プスタが評価されたのが、以下の点。
登録基準(iv)
プスタは人々が放牧を続けることで形成された文化的景観が見られるという点。
登録基準(v)
ホルトバージ国立公園は、数千年に渡る伝統的な土地利用によって生まれた景観で、これらは人と自然の調和を示すものであるということ。
世界遺産マニアの結論と感想
プスタの一部がホルトバージ国立公園として世界遺産に登録され、古来よりアルカリ性の牧草地となっていて、アジアから訪れる遊牧民たちによって利用され続けました。ここは自然と調和した施設が多く見られ、文化的景観として評価されています。
ちなみに、プスタは歩いていても牧草地が続くのであまり面白くはないですが…観光客向けに馬術ショーを見れば、昔ながらのプスタの雰囲気が味わえます。青い衣を身に付けた馬術師によって5頭の馬を一人で操り、草原を全力で駆け巡る様子はまさにプスタらしい景観。そして、この独特の乗り方はかつてこの地で活躍した義賊の技だったとか。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。