ネパールの世界遺産「仏陀の生誕地ルンビニ」とは?世界遺産マニアが解説

登録区分文化遺産
登録基準(3),(6)
登録年1997年

ルンビニはネパール南部にある小さな村ですが、ここは仏教の開祖である釈迦が生まれたとされる場所で、仏教の四大聖地であります。ここにはマウリヤ朝時代に建造された石柱や釈迦に関連する考古学遺跡など、仏教のルーツとして世界中から巡礼者が多く集まる聖地。

ここでは、仏陀の生誕地ルンビニがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ルンビニについて詳しくなること間違いなし!

目次

仏陀の生誕地ルンビニとは?

仏陀の生誕地ルンビニ
画像素材:shutterstock

ルンビニは、ネパール南部のテライ平原に位置する小さな村。ここは釈迦の生まれた地として知られますが、生誕の時期は諸説あり、紀元前7〜5世紀ころとされています。

そして、聖地とされたのは、紀元前4〜2世紀頃にインドの統一王朝であったマウリヤ朝のアショーカ王によって、紀元前249年に釈迦の生誕地を示す石柱が築かれたことから。6世紀には、釈迦の母の名前から由来するマーヤーデヴィ寺院が建設。この地は古くから巡礼地であったと考えられています。

仏陀の生誕地ルンビニ
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19世紀末までルンビニが釈迦の生まれ故郷であったということは知られていましたが、その場所については特定されませんでした。そこで発掘調査を行うと、アショーカ王の石柱だけでなく、紀元前3世紀から5世紀まで使用されたと考えられる精舎(僧院)跡が発掘されたのです。このことから「ルンビニー聖園」として周囲は保護されるようになり、再び世界中の仏教徒が集まる地となりました。

釈迦の母である摩耶夫人が右脇から釈迦を産み落としたとされますが…現在のルンビニー聖園には、摩耶夫人が休んだとされる菩提樹と、近くには生まれたばかりの釈迦のための産湯として使用された池もあります。

仏陀の生誕地ルンビニはどんな理由で世界遺産に登録されているの?

仏陀の生誕地ルンビニ
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ルンビニが評価されたのが、以下の点。

登録基準(iii)
ルンビニは、アショーカ王の石柱の碑文によって釈迦の生まれ故郷とされ、仏教の四大聖地として崇められているという点。

登録基準(vi)
紀元前3世紀から5世紀まで使用された精舎(僧院)やストゥーパ跡など、古くからこの地が巡礼地であったことを示す証拠が残るということ。

世界遺産マニアの結論と感想

仏陀の生誕地ルンビニ
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現在のルンビニは小さな村ですが、かつての釈迦族の王子であった仏陀がこの地で生まれとされ、それはアショーカ王の石柱があることで古くから巡礼地であったという点で評価されています。そして、遺跡からはかつての精舎(僧院)やストゥーパなども発掘され、ここが古代から聖地として巡礼者が多く訪れていたという点もポイント。

ちなみに、釈迦は生まれた途端、7歩進み、右手で天を指し、左手で地を指し、「天上天下唯我独尊」と語ったという逸話がありますが、ある意味、この言葉が生まれたのもこの地であるのです。…かと言って同じ様なポーズをしていると本気で怒られると思われるので注意。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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