ブラジルの世界遺産「リオデジャネイロ:山と海との間のカリオカの景観群」とは?世界遺産マニアが解説

登録区分文化遺産
登録基準(5), (6)
登録年2012年

ブラジル南東部の中心都市であるリオデジャネイロは、コルコバードの丘のキリスト像を含むチジュカ国立公園の山々とコパカバーナ湾などの海岸などが織りなす独特の景観が特徴。リオデジャネイロの町並みは、ミュージシャンや芸術家、音楽家などにインスピレーションを与え、文化にも影響を与えています。

ここでは、リオデジャネイロ:山と海との間のカリオカの景観群がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、リオデジャネイロについて詳しくなること間違いなし!

目次

リオデジャネイロ:山と海との間のカリオカの景観群とは?

ブラジルのどこにある?その街並みは文化の多様性を生んだ

リオデジャネイロ:山と海との間のカリオカの景観群
画像素材:shutterstock

ブラジル南東部にあるリオデジャネイロ州の州都。リオデジャネイロは、大西洋に面しており、グアナバラ湾沿いに広がる平野と森林に囲まれた山々に囲まれた都市です。「カリオカ」とは、リオデジャネイロの市民や出身者を表す言葉。山々と海岸が織りなす都市の景観は文化に影響を与え、さまざまな音楽や芸術を生み出してきました。

「リオデジャネイロ」の意味は?かつてはブラジルの首都だった

コルコバードのキリスト像/リオデジャネイロ:山と海との間のカリオカの景観群
画像素材:shutterstock

1502年1月にポルトガル人探検家によって発見された時に、グアナバラ湾を川と勘違いし、「1月の川(リオデジャネイロ)」と名付けられました。16世紀にポルトガルの植民地が築かれると、ここに住む人々はカリオカと呼ばれ、18世紀には金やダイヤモンドの積出港となると、ブラジル最大の経済都市に。1763年にはサルヴァドール・ダ・バイーアからリオデジャネイロに首都が移されると、1809〜1821年にはポルトガル・ブラジル連合王国の首都となった時期も。1960年のブラジリア遷都までブラジルの首都であり続けました。

登録されている主な構成資産

世界遺産に登録しているには3つのエリアと海岸。チジュカ国立公園の「チジュカの森、プレトス・フォロス、コヴァンカ」、「ペドラ・ボニータとペドラ・ダ・ガヴェア」、「カリオカ山脈」、コパカバーナ海岸の「グアナバラと人工的な海岸線」の4つに分けられます。

チジュカの森、プレトス・フォロス、コヴァンカ

チジュカの森、プレトス・フォロス、コヴァンカ
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もともとはコーヒー栽培などに使用するために森を刈り取ったものの、水不足と水害に悩まされるようになり、チジュカの森は19世紀後半から植林を進めたエリア。現在はかつての生態系が徐々に復活してきています。

ペドラ・ボニータとペドラ・ダ・ガヴェア

ペドラ・ボニータとペドラ・ダ・ガヴェア
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ペドラ・ダ・ガヴェアは標高844mの一枚岩。地形が形成されたのが6億年〜4億5000年前と考えられています。頂上はパラグライダーの愛好家たちに利用されることも。

カリオカ山脈

コルコバードのキリスト像/カリオカ山脈
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標高約700mのコルコバードの丘を含むエリア。リオデジャネイロの裏山的存在で、丘の上からは市街を一望できます。リオデジャネイロのシンボルであるコルコバードのキリスト像があることでも有名。これは高さ39.6mの像で、内部は礼拝堂になっています。丘の麓には、リオデジャネイロ植物園があり、6500種もの植物が展示。

グアナバラと人工的な海岸線

グアナバラと人工的な海岸線
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ブラジル最大のリゾート地であるコパカバーナ海岸を含むエリア。隣のイパネマ海岸も有名なリゾートです。グアナバラ湾に突き出す半島にある奇岩、海抜396mのポン・ヂ・アスーカルもビューポイントで、ここではロッククライミングも盛ん。港沿いのフラメンゴ海岸は、都市の景観に合わせたフラメンゴ公園が整備されています。

リオデジャネイロ:山と海との間のカリオカの景観群はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

リオデジャネイロ:山と海との間のカリオカの景観群
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リオデジャネイロが評価されたのが、以下の点。

登録基準(v)
リオデジャネイロは、人々が都市に何世紀も住み続けることで、自然と人間社会の融合によって発展し、それが独特の景観を生み出すようになったという点。

登録基準(vi)
リオデジャネイロの風景は、芸術、文学、音楽などにインスピレーションを与えてきたということ。

世界遺産マニアの結論と感想

リオデジャネイロは、カリオカが住み続けることで、キリスト像や美しいビーチ、スポーツ公園など、彼ら自身が作り出した文化的景観が評価されています。そして、この街ではボサノヴァという独特の音楽を作り出したように、新たなる文化を生み出す場として評価。

ちなみに、リオデジャネイロは世界で一番ド派手なカーニバルが行われることで有名。あまりにも文化に夢中になるという地域性があるためか、「サンパウロ人は仕事で忙しく、リオ人は遊びで忙しい」と言われるのがリオデジャネイロっ子なのです。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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