登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (9), (10) |
登録年 | 2004年 |
ロシアの北東の北極海に浮かぶウランゲリ島は、氷河期に凍結しなかったため、独自の生態系が維持され、固有種の植物も存在。島の周辺は、タイヘイヨウセイウチとホッキョクグマの密度が世界一で、絶滅危惧種の渡り鳥も多く立ち寄る地でもあります。
ここではウランゲリ島保護区の自然体系がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ウランゲリ島保護区について詳しくなること間違いなし!
ウランゲリ島保護区の自然体系とは?
北極圏に位置するウランゲリ島は、ロシアの北東端・東シベリア海に浮かぶ島。世界遺産としては、総面積7608平方kmのウランゲリ島と11平方kmのヘラルド島、そして周辺の海域も含まれます。ここは北極圏にあるにもかかわらず、氷河期に氷河で覆われなかったということもあり、独自の生態系が築かれました。他の北極圏の島々に比べて多くの植物が見られ、ユーラシア大陸やアメリカ大陸の亜種であるものの、23もの固有種が見られるのが特徴。
島の周囲には、タイヘイヨウセイウチとホッキョクグマの密度が世界一というほどに、動物相も非常に豊か。メキシコ周辺からコクジラが訪れるほどの主要な餌場でもあります。島には100種もの渡り鳥が集まり、その中には絶滅危惧種も見られるというのも特徴。
ウランゲリ島保護区の自然体系はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
ウランゲリ島保護区が評価されたのが、以下の点。
登録基準(ix)
ウランゲリ島保護区は、氷河期に氷河で覆われなかったため、生態系の長い進化過程を示す例となっていて、固有の植物相や生物の適応など、独自の進化が見られるという点。
登録基準(x)
ウランゲリ島保護区は、絶滅危惧種を含めた100種以上の渡り鳥、コクジラの主要な餌場、タイヘイヨウセイウチの世界最大の生息地など、北極圏で最高レベルの生物多様性を持つ島であるということ。
世界遺産マニアの結論と感想
北極圏のほとんどの島は氷河期に氷河で覆われたものの、ウランゲリ島はその影響を受けなかったため、太古からの生態系の進化が見られ、固有種はもちろん、絶滅危惧種を含めた最上級の生物多様性が見られるという点で評価されています。
ちなみに、ウランゲル島でマンモスは絶滅したと考えられていて、そのマンモスは通常のマンモスよりも小型化してしました。もちろん、ここに住む人々によって狩猟されたと考えられていましたが、実は人類が到達する前に気候やウイルス・細菌によって絶滅していたのでは?と最近は考えられています。
つまり、ウランゲル島のマンモスは環境に勝てなかったということであって、何でもかんでも生物の絶滅は人類のせいではない…ということを示しますが、アメリカ大陸のマンモスは人類が絶滅のきっかけを作っているので、結論「人間がほぼ犯人」と言えるでしょうけど。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。