群馬県は関東の北西部にある内陸県で、草津や伊香保など100箇所以上も温泉があることでも有名ですね。群馬の世界遺産というと富岡製糸場のイメージがありますが、県内には世界遺産はいくつあるでしょうか？
ここでは、群馬県の世界遺産を世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説。それぞれの遺産を簡潔に解説していきましょう。
富岡製糸場と絹産業遺産群
富岡製糸場／富岡市
明治維新後「殖産興業」を掲げる明治政府はおもな輸出品の一つに生糸を選びました。そして、明治政府によって1872年にフランスからボール・ブリュナという技術者が招聘され、現在の富岡に日本初の官営製糸場である「富岡製糸場」を建設。
ここは工場であるため、広い空間が必要となり、木造の柱にレンガを組み合わせて、三角形を基本としたトラス構造の屋根組みが採用されました。製糸場は、日本と西洋の技術の合わさった和洋折衷の建造物でもあります。
製糸場で機械式の製糸技術を学んだ工女たちは、やがて地元へ帰り、全国にその技術を広めていきました。これにより、全国で製糸業の技術レベルが格段に上がっていったのです。
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田島弥平旧宅／伊勢崎市
伊勢崎市に残る田島弥平という人物の邸宅兼養室。彼は「清涼育」という通風を利用して蚕を育てる方法を開発した人物で、かの渋沢栄一とも交流がありました。ここは1863年に建造され、2階建ての家屋には「越し屋根」という換気のための屋根が設けられたもの。ちなみに、彼の子孫が今も住んでおり、代々この家を受け継いでいます。
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高山社跡／藤岡市
藤岡市に残る史跡で、かつては養蚕業の研究所であり、教育機関だった場所。通風と温度の調節をして蚕を育てるという「清温育」を開発した高山長五郎の生家があったのですが、現在の建物は1891年に娘婿が建てたもの。ここでは日本だけでなく、海外からも学生が集まり、清温育を学んだ場所。後に彼の開発した清温育が日本の養蚕業の基本となりました。
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荒船風穴／下仁田町
下仁田町に残る、蚕種（蚕の卵）用の貯蔵風穴。庭屋親子（息子の千壽は高山社の卒業生）が作り上げたもので、第1号は1905年に完成しました。そして、1908年に第2号、1913年に第3号も完成し、合計で3つの風穴があります。
通常、蚕の繭は毎年春に孵化するもの。しかし、風穴に置くことによって、岩の隙間から吹き出す冷風により孵化を遅らせることができ、夏や秋でも繭を作り出すことに成功したのです。これによって生糸の増産が可能になりました。
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世界遺産マニアの結論と感想
群馬県の世界遺産としては1件だけではありますが、構成資産として数えると4箇所も登録されています。実は「富岡製糸場と絹産業遺産群」として含まれているのは、富岡製糸場だけでなく、明治期の絹産業にまつわる遺産も多く登録されているんですよ。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。
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