上海といえば、中国一の経済都市。近代になると外国企業が進出したことから、西洋風の建築が多く並ぶ外灘(がいたん)があることで有名なエリア。豫園(よえん)など歴史溢れる庭園があるものの…世界遺産はあるでしょうか?
ここでは、上海の世界遺産はあるのか?世界遺産マニアが分かりやすく解説していきましょう。
上海に世界遺産は存在しない?
上海は長江の河口にあり、中国五大都市の一つ。古くから港町として存在していましたが、1842年の南京条約によって開港すると、租界が形成され、外灘には外国企業が多く置かれました。現在では当時の建造物が残されていて、近年開発された浦東新区など、過去と未来が共存するというのが特徴。
しかし、観光客には人気のあるスポットではありますが、どれも世界遺産としては登録されていません。これはなぜでしょうか?
実は世界遺産に登録させるには、世界遺産条約の締約国の政府が世界遺産センター(世界遺産委員会事務局)の協力を受けながら世界遺産候補である「暫定リスト」を作成する必要があるのです。つまり、暫定リストに掲載されていない遺産は、世界遺産に推薦することはできません。
そして、現在の中国の暫定リストには上海の遺産は記載されていないため…残念ながら世界遺産になる可能性は今のところ0%です。まずは、世界遺産になるほどの魅力的なスポットを、世界遺産にする理由を探す段階である限り、世界遺産は生まれないのです。
上海には世界遺産がないが、近くには世界遺産「蘇州古典園林」がある!
上海には世界遺産はないですが、上海市から日帰りできる距離にあるのが、蘇州市の「蘇州古典園林」。紀元前6世紀に呉の首都になった時代から存在する歴史ある街。やがて蘇州と呼ばれるようになり、街の西側に位置する太湖の水を利用して、水路が張り巡らされ、水運の中心地として発展しました。
ここでは皇帝が築いた庭園文化に触発され、4〜18世紀まで官僚や豪商などによって庭園が築かれてきました。これらの庭園は「古典園林」と呼ばれ、その数は50もありますが、そのうちの9つが世界遺産として登録。
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世界遺産マニアの結論と感想
残念ながら上海市には世界遺産がありません。しかし、蘇州へは日帰りでも行けるため、世界遺産巡りの拠点としては理想的な位置にあるので、世界遺産を求める人にもおすすめのエリアでもありますよ。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。