世界遺産マニアをご覧の皆様の中には、海外へ世界遺産を見に行きたい!と思っている方が非常に多いと思います。とはいえ、昨今は円安や燃料代の高騰で航空券代もじわじわと上昇中。少しでも安く行きたいと思っても、航空券代ってなかなか安くならないですよね?
そこでおすすめしたいのが「VPNサービス」。VPN(仮想プライベートネットワーク)は簡単にいうと、インターネット接続を暗号化することによって、世界各地で日本の回線を利用できるようにすること。この独自の機能を使って、各国の回線を利用して、航空券をお得に購入することもできるんですよ!今回はどれだけお得になるのか、検証してみました。
VPNとは?実は海外では日本のサイトが見られないことも!
VPNは海外旅行にぴったり!
まず、IT企業でお務めでない限り、VPNって言われてもピンとこないと思うので、すごく簡単に説明しましょう。VPNとはVirtual private networkという意味で、日本語に訳すなら「仮想プライベートネットワーク」。
おもに企業が自社の回線のセキュリティのために利用していることが多いもの。仕組みとしては、インターネット接続を暗号化することで、他人が勝手に覗くことができないようにするのが最大のメリットです。この特性は海外旅行ではすごく便利!
例えば、中国ではInstagramやYouTube、Twiitterなど、欧米のウェブサイトやSNSを規制しているために、現地の回線を使うと利用することができません。そこでVPNサービスを自分のPCやスマホで接続して、IPアドレス(ウェブの住所のようなもの)を日本に変更することで、どこでも日本と同じような環境でインターネットが楽しめるのです。
Yahoo! JAPAN派の人は割と必要かも?
Yahoo! JAPANにアクセスできないヨーロッパの国 |
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オーストリア、ベルギー、ブルガリア、クロアチア、キプロス共和国、チェコ共和国、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイスランド、アイルランド、イタリア、ラトビア、リヒテンシュタイン、リトアニア、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、スロバキア、スロベニア、スペイン、スウェーデン |
ちなみに、2022年4月よりヨーロッパでも「EEA(欧州経済領域)」に加盟している国とイギリスではYahoo! JAPANがアクセスできなくなってなっているので、インターネットはYahoo!派という人は本気で検討してほしいサービスです!
※Yahoo!メールは一部機能が制限されるものの、利用することは可能
なぜVPNで航空券が安くなるの?裏ワザを教えます
実は同じ日付で同じ路線でも国によっては航空券の価格は異なる
国によって為替は違いますし、物価の価値というのは変動するため、例えば、コーラの価格も各国で異なりますよね?これは航空券も同じ。さらに、航空会社や旅行会社の価格は常に変動的で、「Skyscanner」さんといった人気の航空券検索・予約サイトへ航空券の情報を出す価格は、国ごとに違ったりするのです。
つまり、日本で見る「航空券検索・予約サイト」の価格と、海外で見る「航空券検索・予約サイト」の価格は、同じサイトでも価格が異なることがあります。
安くなった価格で航空券を買うにはVPNの機能が必要
さきほどIPアドレスの話をしましたが、滞在している国で回線をつなげると、自動的にその国のIPアドレスになります。つまり、日本で何もせずにそのへんの回線でインターネットへ繋げると、自動的にIPアドレスは「日本」のものに設定されたまま。
そこでVPNを使えば、日本にいながら他の国のIPアドレスを利用できるので、同じ予約サイトでも各国のさまざまな回線で検索すれば…お得なチケットを探すことができるというわけです!
実際にVPNで航空券を探してみたところ…結構お得だった!
今回は日本の回線と他国の回線を使い、同じサイトで価格比較
しかし、理論としては納得していただいたと思いますが…そうはいえど「本当に安くなるの?」と思うでしょう。そこで世界遺産マニアが早速検証してみました。今回は、サーバー設置国の多く、速度が安定しやすいと定評のある「NordVPN」で検証してみましょう。
まずやり方としては、航空券検索・予約サイトを日本の回線と他国の回線で切り替えて、どれくらい価格差が出るか調査してみました。
アジアなど近隣諸国の場合、基本的に価格は下がる傾向にある
最安値の価格 | フライト時間 | 最短時間の価格 | フライト時間 | |
---|---|---|---|---|
日本の回線で検索した場合 | 3万7410円 | 6時間20分 | 7万5740円 | 5時間45分 |
ベトナムの回線で検索した場合 | 3万6430円 | 6時間20分 | 7万3349円 | 5時間45分 |
価格差 | -980円 | – | -2391円 | – |
まず、物価の安いベトナムなどは、航空券が比較的安くなる傾向にあるので、ベトナムの回線と比較してみました。おお、少しだけ安くなった!
時期にこだわりがなければ、東南アジアなら1000〜2000円程度は下がることも。ただ直近の日程ではあまり安くならないケースがあるものの…VPNの有料サービスの代金は月間1000〜2000円程度なので、それを差し引いてもお得と言えるのではないでしょうか?
アメリカやアフリカなど、遠い国への乗継便のほうがお得な価格が探せる
最安値の価格 | フライト時間 | 最短時間の価格 | フライト時間 | |
---|---|---|---|---|
日本の回線で検索した場合 | 16万4749円 | 37時間56分 | 39万7960円 | 15時間48分 |
エジプトの回線で検索した場合 | 12万7930円 | 33時間38分 | 37万6067円 | 15時間48分 |
価格差と時間差 | -3万6819円 | -2時間22分 | -2万1893円 | – |
次に、アフリカでも物価の安い国とされるエジプトの回線を使って比較してみました。むむむ、これは安い!なんと最安値は約3万7000円も安くなりました!しかし…日本からエジプトへは直行便がなく、どこかで乗り継ぎが必要なのですが、このチケットは2回も乗り継ぎがあり、エジプトまでは合計で30時間以上もかかるというのがネック。それでも2時間は節約できたものの、あくまでも時間に余裕がある人向けですね。
学生やバックパッカーなど、節約派にとってみたら、この価格差はありがたいので「価格が安いのが旅のすべて」という方には絶対におすすめです!最短時間の航空便も安くなるので、ラグジュアリーな旅を望む人にとっても利用する価値はありますね。
※これらはあくまでも世界遺産マニアが調査した範囲です。世界では1日あたり約19万便もフライトがある上に、季節や時間帯によって大きく異なるので、ご自身でよく探せば、これよりも安いフライトがあるでしょう。
※上記の価格比較は、ブラウザがクッキーを使って価格を変更しないようにクッキーを消去した状態で検索しています。
航空券検索以外にも、海外旅行で有料VPNはすごく役に立つ
そうはいえど、条件によっては航空券を安く買えない時もあるし…有料VPNってあまりお得じゃないんじゃない?と思う方もいるかもしれませんが、実はメリットはこれだけじゃないんです。
無料VPNだとサーバーの数が少なく、通信が安定しない
有料VPN | 無料VPN | |
---|---|---|
サーバー数 | 多 | 少 |
速度 | 早い | 遅い |
セキュリティ | 強い | 弱い |
無料VPNと有料VPNの最大の違いはこちらでしょうか?さきほど説明した通り、VPNはサーバーを介するので、無料だとサーバーの数も多くなく、国やエリアによってはすごく遅くなってしまうことも…。実は無料VPNが利用できるのは多くとも10カ国程度で、サーバー数も国内に100台しかないというケースもあり、速度が不安定になることがあるのはこの理由。
そうなると動画のスピードも遅くなり、大容量データも送受信できないので…正直インターネットが使えないのとほぼ同じ状態です。
有料VPNならセキュリティ機能が充実しているので安心
無料VPNは無料である分、サーバーなどを含めて情報が公開されていないこともあり、セキュリティに関してリスクが高いというのが実情。つまり、PCやスマホにある個人情報が抜かれてしまう可能性があり、特にクレジットカードなどの情報などが漏洩すると困ってしまいますよね。
例えば、世界60か国に5500台以上のサーバを持つ「NordVPN」は、「Onion Over VPN」という特別な機能を備えています。これは「Tor over VPN」と呼ばれるもので、海外でVPNサーバーに接続しても、IPアドレスが隠されているため、特に脆弱だとされている公共のWi-Fiなどを利用しても、特定できないようになるというのが最大のメリット!
海外へ世界遺産を見に行くのなら有料VPNを導入しておこう
VPNを知っていた人もそうでない人も…実は有料VPNって海外旅行と相性ピッタリ。航空券も安く変えるし、現地でのセキュリティー対策になります。特に世界遺産はあらゆる国にあり、その中には外国人の渡航が制限されていて、同様にインターネットも規制されている国があるのが悩み。そんな時に役立つのが有料VPN!現地での行動において最大のパフォーマンスを上げるためのおすすめツールです。
旅のお供として、有料VPNを事前に契約してから現地を訪れてみるのはいかがでしょうか?
※こちらの内容は、2024年6月の情報であり、世界遺産マニアの調査による検証です。数値については調査時と異なる場合もあるので、その点はご了承下さい。