登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (1),(5),(6) |
登録年 | 1979年 |
ハーン・ハリーリは「カイロ歴史地区」の構成資産の一つ。カイロでも随一の屋内市場でもありますが、実は歴史深いアーケードでもあります。ところで、ハーン・ハリーリはなぜ世界遺産なのでしょうか?
ここではハーン・ハリーリがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ハーン・ハリーリについて詳しくなること間違いなし!
ハーン・ハリーリとは?
イスラム地区の中でも中央部にある広大な屋内市場。ここは12世紀にアイユーブ朝の君主サラディン(サラーフッディーン、1137年または1138年〜1193年)により、それまでここに存在していた宮殿などを解体し、交易の場として開放しました。そして、14世紀のマムルーク朝時代に隊商宿が多く設立されたため、「ハーン・ハリーリ」と呼ばれるように。
16世紀には再開発がされ、オスマン帝国時代も何度も改装され、現在のような細かい路地が続く景観が築かれました。かつての名残はいくつも見られますが、現在は歴史的なアーケードというよりもお土産屋の集合体として有名で、18世紀から営業しているコーヒーハウスなどもある一大観光エリアとなっています。
ハーン・ハリーリはどんな理由で世界遺産に登録されているの?
ハーン・ハリーリが評価されたのが、以下の点。
登録基準(i)
カイロのイスラム地区とオールド・カイロに残る建造物は、人類の創造的才能が見られるということ。
登録基準(v)
歴史地区は、カイロの近代的な都市部と一体となっていて、今でも人々が住む旧市街にモスク、マドラサ(神学校)、ハマムなど、かつての繁栄が見られる建築物が溶け込んでいるという点。
登録基準(vi)
世界でも最も古いイスラム都市の一つで、14世紀には「1000のミナレットが立つ街」と称されるほどに黄金時代を迎えた都市であったということ。
世界遺産マニアの結論と感想
ハーン・ハリーリは、イスラム王朝が支配するようになってからカイロでも重要な市場であり、かつての繁栄が見られるという点で評価されています。
ちなみに、ハーン・ハリーリでも名店といえば「フラハト」。ここはハマーム・マハシと呼ばれる鳩にご飯を詰めるという独特の料理が名物です。日本人からすると違和感を感じるかもしれませんが、イカ飯のようにご飯にも味が染み渡っていて、割と食べやすいというのが特徴。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。