ノルウェーの世界遺産「ウルネスの木造教会」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(1),(2),(3)
登録年1979年

ウルネスの木造教会は首都オスロから北西へ約250kmに位置し、ルストラフィヨルド沿いの崖の上に位置する教会。ここは12世紀前半に建造されたノルウェー最古のスターヴヒルケ(木造教会)で、ロマネスク様式を基本としてバイキングの伝統が取り入れられた傑作です。

ここではウルネスの木造教会がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ウルネスの木造教会について詳しくなること間違いなし!

目次

ウルネスの木造教会とは?

ウルネスの木造教会
画像素材:shutterstock

ウルネスの木造教会は、ノルウェー南西部のソグン・オ・フィヨーラネ県の岬にある小さな教会。ここはフィヨルドとして世界で2番目の面積を誇るソグネフィヨルドの奥にある入江から、さらに内陸にあるルストラフィヨルド沿いに位置します。

11世紀になるとノルウェーにキリスト教が広まると、12世紀にスカンジナビア伝統のスターヴヒルケ(木造教会)が築かれ、これがノルウェー最古の木造教会となりました。中世には1300ものスターヴヒルケが建造されましたが、現座残っているのは28棟のみで、ウルネスの木造教会はその中でも最高傑作です。

ウルネスの木造教会
画像素材:shutterstock

ここはキリスト教建築とヴァイキング建築の様式が融合した「ウルネス様式」で建造。教会は釘やネジなどを使用せずに厚板で覆った、ヴァイキング時代の建築法が採用されています。そして、教会は柿葺きの屋根で覆われていますが、これは水はけを良くするために加えられたもの。

教会は立方体と半円アーチを組み合わせた構造になっていて、ロマネスク様式を採用した木造教会となっています。外観の装飾はヴァイキングの伝統的様式が採用され、戦う動物をモチーフにしたレリーフが見られるというのも独特。内部には12世紀に北欧とキリスト教の文化が入り混じった柱頭が並んでいます。

ウルネスの木造教会はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

ウルネスの木造教会
画像素材:shutterstock

ウルネスの木造教会が評価されたのが、以下の点。

登録基準(i)
ウルネスの木造教会は、ロマネスク様式にヴァイキングの伝統様式を加えた、伝統的なスカンジナビア半島の木造建築の傑作であるということ。

登録基準(ii)
ウルネスの木造教会は、中世の西ヨーロッパに広まったスターヴヒルケの中でも最も古い教会であり、当時の職人たちによる伝統技術の発展が見られるということ。

登録基準(iii)
ウルネスの木造教会は、11世紀以前に建造されたヴァイキングの装飾や建築法などが見られ、木造のロマネスク建築の優れた例であるということ。

世界遺産マニアの結論と感想

ウルネスの木造教会は、スカンジナビア半島で築かれたスターヴヒルケの中でも最も古く、最高傑作という点で評価。ヴァイキングの伝統様式と南ヨーロッパから普及してきたロマネスク様式が入り混じった建築物であるという点もポイント。

ちなみに、ソグネ・フィヨルドの支流であるネーロイ・フィヨルドは「西ノルウェーフィヨルド群-ガイランゲルフィヨルドとネーロイフィヨルド」として世界遺産に登録されています。このあたりは割と人口密度が低いのに、世界的に有名な世界遺産が密集するエリアでもあるのです。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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