ナポレオン・ボナパルト(1769〜1821年)の名言というと「余の辞書に不可能という言葉はない」で有名ですが、実はこれ日本でよく知られた言葉であるのに、彼が本当に言ったかどうかは不明なんです。
今回はこの有名な名言を世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、具体的に理解できること間違いなし!
実は「不可能とはフランス語には存在しない」というのがルーツだったと考えられる?

「予の辞書に不可能という言葉はない」がナポレオンのものとして広まったのは、実は19世紀以降。ナポレオン自身の書簡や記録には、この言葉が見つかっていません。ただし、ナポレオンの側近だった 軍人コーランクール公爵が、1837年の彼の回顧録で似たような言葉について言及しています。
それは1808年のスペインで行われた「半島戦争(1808〜1814年)」ナポレオンがスペイン軍の砲台を占領するためにポーランドの部隊を派遣することを部下に伝えると反対されたため「Ce n’est pas possible? Ce n’est pas français !(不可能だと?それはフランス語ではない!)」と語ったと記録していて、その後も似たような返答をした…とのこと。
そして、これはあくまでも一つの説で、もう一つは、1813年にナポレオンから将軍へと送られた手紙の一節に「フランス語には不可能という言葉はない」とも語られていることから、これらの記録からやがて日本では意訳されて「予の辞書に不可能という言葉はない」と変化していったと考えられます。
世界遺産マニアの結論と感想
「予の辞書に不可能という言葉はない」という言葉そのものについてはナポレオンのものではない…というのは確実ではあります。そして、ナポレオンは少なくとも「不可能とはフランス語には存在しない」いやくのような言葉は何回かは発していることは分かっているので、ここからおそらくは文化人が彼のエピソードに付け加えた可能性があります。とはいえ、いつ誰がどうのようにしてこれを意訳したのかは不明ですが。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。