世界6大陸の一つである南極大陸。地表の約98%は氷で覆われているという厳しい環境ですが、この地に世界遺産はあるのでしょうか?
ここでは南極大陸にはなぜ世界遺産がないのか?世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、南極大陸について詳しくなること間違なし!
南極とは?

南極大陸は文字通り、南極点を含む大陸で、面積は約1400万平方kmで、世界で5番目に大きい大陸です。季節によって周辺の氷床や海氷の範囲が変動するものの、基本的には氷で覆われているのが特徴。
厳しい環境のため、生物多様性は限られていて、主にペンギンやアザラシ、海鳥、そして、プランクトンが生息している程度。南極には住民は一人もいませんが、各国が設置した研究基地に科学者が一時的に滞在しています。あまりイメージはないかもしれませんが、南極最高峰のヴィンソン・マシフ(標高4,892m)を含む、標高の高い山脈や、氷床の下に存在する湖など、ここでしか存在しない絶景も点在。
南極はなぜ世界遺産として登録されないの?



南極はこれだけの自然があふれる場所で、世界でココにしか見られないスポットも多いのですが、世界遺産に登録されていません。これはなぜでしょうか?
まだ実は南極大陸は多くの国が領有権を主張していたのですが、1959年に締約された南極条約の第4条により全て凍結。その後、各国の領有権はまだ取り下げていないため、実質的には「凍結状態」となっていて、どの国にも所属していないというのが実情です。つまり、南極はどこの国のものでもないので、どこの国も世界遺産として推薦はできないということ。
とはいえ、南極の北部にある亜南極圏は、各国が領有権を持っていて、ニュージーランドの世界遺産「ニュージーランドの亜南極諸島」、オーストラリアの世界遺産「ハード島とマクドナルド諸島」など、島々については世界遺産に登録されています。そういった意味では…亜南極圏なら世界遺産はあるので、これらはぎりぎり「南極の世界遺産」とは言えるかもしれませんね。
世界遺産マニアの結論と感想
残念ながら南極は世界遺産ではありませんが…しかし、それは現段階の話。とはいえ、こればかりは政治の問題でもあるのですぐには解決できないもの。まだまだ時間はかかるかもしれませんが、世界遺産になる可能性は、あくまでも「これから」なのです。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。