登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (7), (10) |
登録年 | 2017年 |
アルゼンチン南部にあり、パタゴニア北部のアンデス山脈に広がる公園。この地は氷河によって形成され、モレーンやカール(圏谷)、氷河湖などが見られ、一帯は温帯林で覆われています。ここには「アレルセ」と呼ばれる、絶滅危惧種のパタゴニアヒバが見られ、中には樹齢が2600年以上のものがあるほどに古くから存在するという点で貴重。
ここではロス・アレルセス国立公園がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ロス・アレルセス国立公園について詳しくなること間違いなし!
ロス・アレルセス国立公園とは?
パタゴニア地方北部・アルゼンチン側のチュブ州に位置し、アンデス山脈内に広がる広大な公園。ここはチリの国境に面し、モレーンやカール(圏谷)、透き通った氷河湖、U字側の谷など、氷河作用によって形成された地形が点在しています。アンデス山脈の山頂付近では高原地帯が広がり、太平洋の湿った空気が山脈にさえぎられるため、公園内は降水量が多く、温帯林が広がるエリアでもあるのが特徴。
パタゴニアヒバ(アレルセ)
現地では「アレルセ」と呼ばれるパタゴニアヒバは、敷地内で多く見られ、公園の名前の由来になったほど。アルゼンチンとチリ南部で多くのパタゴニアヒバの森が見られるものの、伐採や森林開拓などにより、現在は絶滅危惧種に指定されています。
チリには、世界で2番目に長い樹齢(3600年以上とされるもの)を誇るものがあるほど。公園内はアルゼンチン最大のパタゴニアヒバの森が広がり、メネンデス湖の湖畔には樹齢2600年とされる、高さ57mもの木があることで有名。
ロス・アレルセス国立公園はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
ロス・アレルセス国立公園が評価されたのが、以下の点。
登録基準(vii)
ロス・アレルセス国立公園は、樹齢2600年のパタゴニアヒバの木に代表されるように、森にはシダ、コケ、地衣類などが見られ、氷河や雪を抱く山脈に、透明な川や氷河湖などが広がっていて、さまざまな景観を保護しているという点。
登録基準(x)
ロス・アレルセス国立公園は、生物多様性を保全するバルディビアン温帯林を含んでいて、樹種は34%もが固有種です。その中でも世界でも2番目の樹齢を誇る、絶滅危惧種パタゴニアヒバの木が保護されているということ。
世界遺産マニアの結論と感想
ロス・アレルセス国立公園は、アンデス山脈に広がる氷河によって形成された地形が多く残る地。ここは生物多様性の広がる温帯林を保護していて、絶滅危惧種のパタゴニアヒバが多く見られるという点で評価されています。
ちなみに、チリに残るパタゴニアヒバは世界で2番目に長寿の木ではありますが、これはあくまでも通説で、世界各地で「樹齢数千年」という木はざらにあります。一応、世界で最も長寿とされる木はアメリカのカリフォルニアにある「ブリッスルコーン・パイン(樹齢4600年)」。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。