静岡県の世界遺産「富士山本宮浅間大社」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(3), (6)
登録年2013年

富士山本宮浅間大社は「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」の構成資産の一つ。富士山の南麓にある本宮から頂上にある奥宮まで幅広い敷地を誇り、全国の浅間神社の総本社でもあります。ところで、富士山本宮浅間大社はなぜ世界遺産なのでしょうか?意外と知ってそうで知らない!

ここでは富士山本宮浅間大社がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、富士山本宮浅間大社について詳しくなること間違いなし!

目次

富士山本宮浅間大社とは?

山宮浅間神社
画像素材:shutterstock

浅間神社の総本社で、富士宮市の富士山本宮浅間大社が本宮となっていて、富士山頂に奥宮(おくみや)が鎮座します。富士山の南麗の本宮から頂上の奥宮を含めて広大な敷地が境内となっていて、本宮が一般的に「浅間神社」と呼ばれています。

江戸時代の記録によると、806年までは既に存在した山宮(現在の山宮浅間神社)にて、富士山に鎮座する神を「浅間大神(木花之佐久夜毘売命、コノハナノサクヤビメ)」を祀っていたものの、806年に征夷大将軍でもあった坂上田村麻呂によって分祀され、現在の本宮がある地に社殿を造営しました。明治時代から「富士山本宮浅間神社」というのが正式名称ではありますが、1982年から現在の「富士山本宮浅間大社」となっています。

本宮

富士山本宮浅間大社本宮
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富士宮市にある全国の浅間神社の総本社。古くから富士山の南麓においては中心的な神社となり、1604年に徳川家康によって、関ヶ原の戦いの戦勝を記念して社殿が作られ、本殿は二重に楼閣造である「浅間造」として有名。境内にある「湧玉池(わくたまいけ)」は富士山の伏流水が水源となっています。

奥宮

富士山本宮浅間大社奥宮
画像素材:shutterstock

富士山頂にある奥宮では、12世紀には修験者によって経典や仏像などが奉納した施設(後に大日堂)が置かれてましたが、それ以前にも登頂者による遺品なども存在したという記録もあり、古くから神聖な場所とされてきました。

浅間大社の支配権が当時の江戸幕府から認められたのは、18世紀以降。明治時代の廃仏毀釈運動によって、ここに置かれていた仏像が取り除かれ、浅間大社の奥宮となりました。

富士山本宮浅間大社はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

画像素材:shutterstock

富士山本宮浅間大社が評価されたのが、以下の点。

登録基準(iii)
成層火山として雄大な富士山は、断続的な火山活動があったことから、古代から現代にいたるまで伝統的な山岳信仰が残っています。巡礼者は、山頂への登拝や麓の神社への巡礼を通じて、神仏の力を得ることを望むという富士講は富士山への深い崇拝に結びつくもの。富士山の均整のとれた美しい姿は、無数の芸術作品にもインスピレーションを与え、自然と共生しながら独自の伝統へと結びついていました。関連する文化遺産には、富士山の崇拝を中心とした伝統文化が残されているという点。

登録基準(vi)
富士山の景観は湖や海の上にそび立つように火山が位置するというイメージで、これは古くから文学や芸術などのインスピレーションを与えてきました。特に19世紀の葛飾北斎や歌川広重の浮世絵に描かれた富士山の姿は、その後、西洋美術の発展に大きな影響を与え、現在も世界中で知られる名山であるということ。

世界遺産マニアの結論と感想

富士山本宮浅間大社は、古くから富士山を神体山(しんたいさん)として祀り、本宮と奥宮ともに日本人による強い崇拝に結びついた建築物であるという点で評価されています。

ちなみに、浅間神社では、コノハナノサクヤビメを浅間大神として祀っていますが、古代から中世にかけては富士山との結びつきが文献からは見られないそう。コノハナノサクヤビメは産屋に火を放ってその中で子供を産んだという、なかなか激しいエピソードもあり、それが結びついたのでは?と言われています。

その時に生まれた「火遠理命(ほおりのみこと)」の孫が初代天皇である神武天皇。ということで富士山は今上天皇の先祖でもあるのです。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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