エチオピアの世界遺産「バレ山地国立公園」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分自然遺産
登録基準(7),(10)
登録年2023年

首都アディスアベバから南東400kmの位置にあるバレ山地国立公園は、エチオピア有数の高山地帯。ここは山岳地帯だけでなく、森林が広がっていて、コーヒーノキの原種が存在し、さらには絶滅危惧種のアビシニアジャッカル(エチオピアオオカミ)とエチオピアオオタケネズミ(ジャイアントモーラット)の世界最大の生息地でもあるというのが特徴。

ここではバレ山地国立公園が、なぜ世界遺産なのか?世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、バレ山地国立公園について詳しくなること間違いなし!

目次

バレ山地国立公園とは?

バレ山地国立公園
画像素材:shutterstock

バレ山地国立公園は、エチオピアの中央に位置するオロミア州の中でも南東に位置する国立公園で、保護区としては約2200平方kmにも及びます。ここは標高4377mのトゥル・ディムトゥが含まれていて、標高約3500mを越えるアフロ・アルプス高原や国内でも2番目の規模を誇る熱帯雨林を持つというのが特徴。

ここは北側のゲイセイ平原、中心部のアフロアルプス高原、南側の断崖エリアで構成されています。ゲイセイ平原は標高3000〜3550mの位置にあり、南側の山岳エリアでは国の保護種であるビャクシン・プロセラという針葉樹で覆われているのが特徴。アフロアルプス高原は標高3550〜4000mという厳しい環境の中に生息する、ミゾカクシ属(ロベリア属)の植物が見られます。南部の断崖地域は、エチオピアの中でも最も広大な森林を保護しているエリア。

エチオピアオオタケネズミ/バレ山地国立公園
画像素材:shutterstock

ここは絶滅危惧種のアビシニアジャッカルの保護地域でもあり、北西のシミエン山地のものと比べると大型。標高3000m以上の草原や湿原に生息し、絶滅危惧種のエチオピアオオタケネズミを捕食しています。

エチオピアはコーヒーの三大品種であるアラビカ種の発祥の地とされていて、ここは国内でも有数の野生のコーヒーノキの保護区でもあります。

バレ山地国立公園はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

アビシニアジャッカル/バレ山地国立公園
画像素材:shutterstock

バレ山地国立公園が評価されたのが、以下の点。

登録基準(vii)
登録基準(x)

この地は高山、渓谷、断崖、森林など多様な生息地が広がっていて、哺乳類の約4分の1、鳥類の6%がエチオピアの固有種であるというのが特徴。特に両生類に関しては珍しい種類が生息しています。ここは絶滅危惧種のアビシニアジャッカルとエチオピアオオタケネズミの世界最大の生息地であることで有名。さらには、エチオピア・コーヒーの原産地で国内でも2番目の規模を誇り、周囲の居住地の水源ともなっているという点。

世界遺産マニアの結論と感想

バレ山地国立公園は、広大な敷地に高山や森林など、多様な生息地があることからエチオピアの固有種が豊富。コーヒーノキの保護区であり、絶滅危惧種も多く生息しているという点で評価されています。

ちなみに、世界でも200種ほどあり、コーヒー豆の品種といえばアラビカ種がも最も有名ですね。実はほとんどが突然変異によって誕生するものが多いなか、コーヒー愛好家で人気のゲイシャ種はエチオピアで発見された原種。ゲイシャ種は「芸者」が由来だと思われがちですが、発見されたのがゲイシャ村の近くであったことからこの名が付けられました。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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