イタリアの世界遺産「ピサのドゥオモ広場」とは?ピサの斜塔も含めて世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(1),(2),(4),(6)
登録年1987年

ピサはトスカーナ州の地方都市。かつてはピサ共和国として地中海交易で繁栄した都市国家でした。街の外れにあるピサの斜塔(鐘楼)は世界的に有名。斜塔の周りにある大聖堂(ドゥオモ)や洗礼堂、墓所(カンポサント)は11〜14世紀にかけてイタリアの建築物に大きな影響を与えました。

ここでは、ピサのドゥオモ広場がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ピサのドゥオモ広場について詳しくなること間違なし!

目次

ピサのドゥオモ広場とは?

画像素材:shutterstock

イタリアのトスカーナ州西部にあるピサは、かつて地中海沿岸の海運国家として繁栄した都市。1063年には、当時地中海で海賊行為を行っていたサラセン人と「パレルモ沖海戦」で勝利し、地中海航路での地位を固めました。貿易で莫大な富を稼ぎ、自らの拠点であるピサには壮麗な建築物が作られるようになります。それが世界でも有名なピサの斜塔(鐘楼)や大聖堂(ドゥオモ)として現在も残存。

これらは11〜14世紀にドゥオモ広場を中心に建設され、中世の建築技術の発展などが見られます。これらはロマネスク様式が建造されたものですが、ビザンツ様式やゴシック様式などが混在している部分も。

登録されている主な構成遺産

鐘楼(ピサの斜塔)

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1173年に着工し、完成したのが1372年。高さは55.86mで階段は296段もあります。なんといってもこの塔を有名にしているのは「傾き」。これは軟弱な地盤が原因で、着工当時から傾いていたと言われています。塔は傾いた側を高くして少しずつ水平になるよう調整していきました。現在の角度は約4度ではありますが、以前は5.5度も傾いていたことも。

塔での有名なエピソードとしては、16世紀末にガリレオ・ガリレイが塔の上から2つの物体を落とし、万有引力の法則を発見したという伝説。実際はここでは実験していないという説が有効ですが、彼はピサ出身で大学教授として働いていたために、この地で法則を発見したことは確かではあります。

大聖堂(ドゥオモ)

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広場で最も古い建造物で、聖堂内はビザンチン様式のものも見られますが、ロマネスク様式を主軸にしています。1063年にピサ軍がパレルモでサラセン軍を破ったことを記念して建造。白亜の大理石で作られ、ラテン十字の形をしています。説教壇はニコロ・ピサーノ作で14世紀に作られたもの。『新約聖書』の場面を表現したレリーフは有名。

ピサの大聖堂の建築スタイルは、他のトスカーナ地方の都市でも参考にされて、聖堂建築のモデルともなりました。

洗礼堂

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大聖堂の正面にある円筒型の建築物。着工は1152年ですが、完成まで200年以上かかり、大聖堂と同じくロマネスク建築で作られたもの。しかし、上部だけゴシック様式の尖塔が付け加えられました。

墓所(カンポサント)

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大聖堂北部にある墓所。墓所とは言うものの、回廊付きの中庭もあり、ロマネスク建築の美しい建物です。14世紀に描かれたフレスコ画があったのですが、第2次世界大戦による被害でほとんどが消失。

ピサのドゥオモ広場はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

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ピサのドゥオモ広場が評価されたのが、以下の点。

登録基準(i)
斜塔、大聖堂、洗礼堂、墓所は建築としても素晴らしいのですが、内部には世界的に有名な芸術作品などが多く見られるという点。

登録基準(ii)
ピサの建築様式や芸術は、11〜13世紀のピサが繁栄していたころは交易ルートを通じて周辺の島々に、14世紀はトスカーナ地方を中心に影響を与えていたということ。

登録基準(iv)
ピサのドゥオモ広場は中世のキリスト教の建築物で構成されているという点。

基登録準(vi)
ガリレオ・ガリレイが万有引力の法則をピサのドゥオモ広場で発見し、実験を行ったという伝説が残り、科学史においても重要な発見があった場所としても評価されているということ。

世界遺産マニアの結論と感想

ピサの斜塔と大聖堂は、かつて地中海を支配したピサの繁栄のシンボルであり、大聖堂の建築様式は、トスカーナだけでなく、海を通じて周辺へと伝えられました。今では否定はされているものの、ガリレオ・ガリレイが万有引力の法則を発見したきっかけとされているという点も評価されています。

ちなみに、ピサの斜塔が世界で一番傾いていると思いきや、ドイツににピサよりも傾いてる斜塔があります。ニーダーザクセン州にあるズールフーゼンの斜塔は、なんと5.19度傾いてて非常に不安定。ギネス記録にも記載されています。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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