イギリスの世界遺産「ビッグ・ベン(エリザベス・タワー)」とは?正式名称とピーター・パンを含めて世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(1), (2), (4)
登録年1987年

ビッグ・ベン(エリザベス・タワー)は「ウェストミンスター宮殿、ウェストミンスター寺院(アビー)と聖マーガレット教会」の構成資産の一つ。イギリスの国会議事堂であるウェストミンスター宮殿にある時計台は、ビッグ・ベンという愛称で有名で、ロンドンのシンボル的存在。ところで、ビッグ・ベンはなぜ世界遺産なのでしょうか?

ここではビッグ・ベンがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ビッグ・ベンについて詳しくなること間違いなし!

目次

ビッグ・ベンとは?その正式名称は「エリザベス・タワー」

ウェストミンスター宮殿
画像素材:shutterstock

首都ロンドンにあるウェストミンスター宮殿は、現在はイギリスの国会議事堂として利用されています。1834年に火事が発生し、ウェストミンスター・ホールなどの一部の建設物以外はすべて燃えてしまい、現在の建物は1860年にゴシック・リバイバル様式で再建されたもの。その際に大時鐘が追加され、その愛称が「ビッグ・ベン」となり、今では時計台そのものがこの名前で呼ばれます。

着工は1843年ではあるものの、完成したのは1859年。高さは96.3mで、61mまではレンガ造りで、残りは鋳鉄の尖塔となっています。構造としては巨大な振り子時計で、振り子部分は重さは300kgもあり、風の影響を受けないように塔の中に配置。実は鐘は二代目で、初代は時計台が完成する前にひびが入ってしまいました。

大時鐘は、2012年にエリザベス2世在位60年を記念して「エリザベス・タワー」という公式の名称が付けられたものの、現在でもビッグ・ベンと呼ばれるのが一般的。

映画版『ピーター・パン』で登場する時計台はビッグ・ベン?

ビッグ・ベン/ウェストミンスター宮殿
画像素材:shutterstock

『ピーター・パン』といえば、空を飛ぶピーター・パンがウェンディたちをネバーランドへ連れて行くというストーリーでおなじみ。ディズニー映画版の『ピーター・パン』には大きな時計台に立ち寄るシーンがありますが…このサイズの時計台はウェストミンスター宮殿のビック・ベンがモチーフ。実際に劇中に登場する時計台は新古典様式のデザインで、ほぼビッグ・ベンと言ってもよいでしょう。

その鐘の音は日本人にはおなじみ?

ビッグ・ベン/ウェストミンスター宮殿
画像素材:shutterstock

日本の学校のチャイムといえば「キーンコーンカーンコーン」のチャイムのメロディですが、実はこれ『ウェストミンスターの鐘』呼ばれるメロディ。1793年にケンブリッジで作曲されたとされ、1851年にビッグ・ベンで採用されると非常に有名になり、時鐘の代名詞的存在となりました。太平洋戦争後に東京の中学校に採用され、やがて全国で普及し、現在では日本の学校でよく利用される時鐘となったのです。せっかくビッグ・ベンを訪れたら、オリジナルの音源を聞くというのも日本人ならではの楽しみ。

ビッグ・ベン(エリザベス・タワー)はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

ビッグ・ベン(エリザベス・タワー)
画像素材:AdobeStock

ビッグ・ベンが評価されたのが、以下の点。

登録基準(i)
ウェストミンスター寺院(アビー)はフランスの建築様式なども取り入れた、ゴシック様式の発展などが見られるということ。

登録基準(ii)
ウェストミンスター宮殿は、中世の建築物をベースに19世紀のゴシック・リバイバル様式で再建されたもので、この建設に関わった建築家たちの作品にも大きく影響を与えたということ。

登録基準(iv)
ウェストミンスター地区の建築物は、立憲民主制を象徴するもので、「英国史の博物館」といった存在であるという点。

世界遺産マニアの結論と感想

ビッグ・ベンを含むウェストミンスター宮殿の建築物は、ゴシック様式の傑作であると同時に、英国王室や議会の歴史を示すシンボル的な存在であるという点で評価されています。

ちなみに、ビッグ・ベンを設計したのはアマチュアの時計学者と天文文官だったのですが、毎時の誤差が1秒以内と、当時としては世界で最も正確な時計を築き上げたという点でも素晴らしいのです。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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