登録区分(暫定リストに記載) | 文化遺産 |
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登録基準(暫定リストに記載) | (2),(6) |
申請年(暫定リストに記載) | 2012年 |
「平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群―」は拡大登録を目指していて、骨寺村荘園遺跡(ほねでらむらしょうえんいせき)と農村景観は構成資産の候補の一つ。ところで、骨寺村荘園遺跡と農村景観はなぜ世界遺産候補なのでしょうか?
ここでは骨寺村荘園遺跡と農村景観がなぜ世界遺産候補なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、骨寺村荘園遺跡と農村景観について詳しくなること間違なし!
骨寺村荘園遺跡と農村景観とは?
一関市厳美町本寺地域にある骨寺村は平泉の西方約15kmに位置する小盆地にあり、平泉にある中尊寺の所領であった荘園でもあります。ここは中尊寺が保有している重要文化財『陸奥国骨寺村絵図(むつのくにほんでらむらえず)』に描かれた、鎌倉時代の景観がそのまま残っているのが特徴。絵図には寺院や神社、岩屋などが描かれていて、当時の荘園の様子が分かるという点で大変貴重なもの。
一関本寺の農村景観
『吾妻鏡』や『陸奥国骨寺村絵図』に描かれた荘園の景観が残っていて、不揃いな形の水田や用水路、季節風を防ぐためのイグネ(屋敷林)を持つ農家など、奥州藤原氏の時代から寒冷地であるこの地に適応しつつ、稲作などが行われて形成された農村の景観がそのまま残されています。
骨寺村荘園遺跡と農村景観はどんな理由で世界遺産に登録される予定なの?
骨寺村荘園遺跡と農村景観が評価されたのが、以下の点。
登録基準(ii)
中国や朝鮮半島から伝来した仏教が、12世紀に浄土思想として、日本古来の自然崇拝と融合し、平泉で花開いたという点。
登録基準(vi)
平泉には浄土(仏国土)を空間的に演出した建築物や庭園の理念が存在したという点。
世界遺産マニアの結論と感想
骨寺村荘園遺跡と農村景観は、平泉の中尊寺の所領であったために、当時描かれた絵図のままの景観が残っているという点で評価。しかし、その一方、平泉の世界遺産のテーマである「仏国土(浄土)を表す」という点では関連性が薄いということもあり、現在は拡大登録を目指しています。
ちなみに、骨寺村の近くには「同間の滝」と呼ばれる、滝の上にカッパの顔のような岩があるという不思議な景観があり、珍スポットとして有名。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。