登録区分(暫定リストに記載) | 文化遺産 |
---|---|
登録基準(暫定リストに記載) | (4), (6) |
申請年(暫定リストに記載) | 2003年 |
エジプトの中部に位置するアビドス遺跡は、初めて統一王朝を築いたナルメル王を含めた第1王朝の墓が残る地で、新王国時代のセティ1世神殿には歴代のファラオの名前が刻まれた貴重なエリア。
ここではアビドス遺跡がなぜ世界遺産候補なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、アビドス遺跡について詳しくなること間違なし!
アビドス遺跡(ファラオの巡礼の町)とは?

ナイル川中流域のルクソール近郊に位置するアビドスは、ナカダ3世期(紀元前3200年〜紀元前3000年)ころに遡るほどに古い町。ここはエジプト第1王朝の王であり、初めてエジプトを統一したとされるナルメル王(在位:紀元前3125年頃〜紀元前3062年頃)の墓などが集るウンム・エル=カアブがあることで有名です。
第5王朝時代以降は、冥界の神・オシリス信仰が盛んとなり、ここは各時代のファラオの墓所となり、建造物が多く建造されます。第19王朝時代には、セティ1世(在位:紀元前1294年〜紀元前1279年)によって神殿が築かれ、ここには「アビドスの王名表」があり、歴代のファラオのカルトゥーシュ(囲まれたファラオ名)が刻まれていることから貴重な資料となっています。
世界遺産マニアの結論と感想



アビドスは、ナルメルだけでなく、オシリス信仰の聖域となったことから、歴代ファラオの埋葬地として有名で、神殿なども多く築かれたことから、王名表など貴重な資料として残っているという点で評価されています。
ちなみに、セティ1世神殿には、フェニキア語とアラム語など、当時の古代世界で使用されていた言語の落書きも見つかっていて、ある意味、こういった落書きが見つかること自体が貴重であることから大発見でもありました。本来は聖域の落書きは割と罰当たりではあるのですが…後世では評価されるのも不思議な話。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。