世界遺産検定2級は「意外と簡単!」「意外と難しい…」といろんな声が聞こえますが、このページをご覧いただいた方は、2級試験をできれば一発合格したいと思って来たと思います。他のページでは「私はこの勉強法で合格しました!」という紹介をしていますが、実は人それぞれ「世界遺産の知識レベル」が違うので、それを単純に真似するだけでは危険!実は勉強法とスケジュールはそれぞれ異なるのです。
そこで、世界遺産検定に一発で満点合格した世界遺産マニアが、各々のレベルに合わせて2級を一発合格する勉強法とスケジュールをご紹介していきましょう。
まず世界遺産検定とは?検定に受かるにはまずテキストと過去問を買うのがマスト
世界遺産検定とは?
まず、世界遺産検定は国の資格ではなく、民間検定です。「NPO法人世界遺産アカデミー」が検定を実地しているもの。彼らの規定では、
「世界遺産検定は、人類共通の財産・宝物である世界遺産を通して、国際的な教養を身に付け、持続可能な社会の発展に寄与する人材の育成を目指した検定です。」
…とのことです。まぁ、平たくいえば「世界遺産の教養を身に着ければ、世界いろいろなところで社会に役立つ人材になれる」ということでしょうか。
世界遺産検定にはランク分けがある
実は世界遺産検定は、マイスター、1級、2級、3級、4級まで細かくランク分けされていて、ちょっと世界遺産を学びたいという初心者から、オタクというべきほどに知識を身につけないと合格できないマイスターと1級があります。
今回ご紹介する2級というのは、1級ほど難しくはない上に「世界遺産に結構詳しい人」になれるというジャストな検定でもあります。
2級の出題範囲と難度
2級の試験範囲は、「NPO法人世界遺産アカデミー」によると、
「世界遺産条約の理念や関係機関について理解し、各地域を代表する世界遺産の多様性を学ぶ」
となっていて、1級ほどではないですが、高校生くらいの学力では滅多に受からない程度に難しい試験となっています。
出題対象となる遺産は、
「日本の全遺産+世界の代表的な遺産 300件」
つまり、2024年現在、日本を含めて325件覚えればOKということですね。
で、その300件はどの遺産かというと…
『くわしく学ぶ世界遺産300<第4版>』 世界遺産検定事務局著
に掲載している300件から出題されます。そう…世界遺産検定に受かりたいのだったら、まずこれを買うしかないんです。笑
ただ2級を一発で受かった私でも言えます。余程の世界遺産オタクでもない限り、テキストを買わずに合格するのは、まず無理!ここはケチケチせずに2200円(税込)を買いましょう。もしかしたら、中古も出てくるかもしれませんが、それでも高い…。
また、確実に受かるには過去問も購入した方が無難。実際に自分のレベルが一発で分かるので、苦手分野の対策もできるというのが最大の理由です。別に世界遺産アカデミーの回し者ではないですが、合格への最短の道=テキスト+過去問となっているのも、世界遺産検定のリアル。何が出るか分からないことには対策しようがないですしね…。
『世界遺産検定公式過去問題集1・2級<2023年度版>』 世界遺産検定事務局著
世界遺産検定2級の難易度と合格率はどれくらい?
合格率はどれくらい?
さて出題される範囲はわかったところで、実際の難易度と合格率はどうか?という話ですよね。まず、ここ数年の試験の合格率はどれくらいか?大体「認定率(合格率と同じ)」はどの年も40〜50%くらい。おおざっぱに言うと2人に1人は受かる試験です。
「なんだ、割と簡単じゃん!」
…と思うかもしれませんが、次に見てほしいが合格者の割合。
難易度はそれほど低くはないが、合格者は専門・大学生・社会人が圧倒的に高い!
それでは、合格者の割合を見てみましょう。「NPO法人世界遺産アカデミー」の表の割合から見ると、
小学生・中学生・高校生 約5%
専門・大学生 約45%
社会人 約50%
と考えられます(細かい数字は出ていないので、大体の割合)。つまり、高校生レベルの知識ではまず、合格するのが難しい。しかも、現役の大学生なら高校時代に世界史や地理の勉強を結構したと思うので、その遺産で合格できるかもしれませんが…社会人になったらほぼ忘れているでしょう。
一発合格するためにはどう勉強すればいいの?実は勉強法にはコツがある!
2級に受かるにはどれくらい正答すれば良い?
受験資格 | 誰でも受験可 |
解答形式 | 選択式 |
問題数 | 60問 |
試験時間 | 60分 |
合格基準 | 100点満点中(60点以上)※調整されることも |
まず、概要を見てみましょう。毎年問題の配点は変更しますが、60題中半分ちょいを正答すれば合格はできますが、最低でも7割は正答しないと確実ではありません。7割っていうと、簡単そうで意外と難しいですよね。
2級の配点比率
基礎知識 | 20% |
日本の遺産 | 25% |
世界の自然遺産 | 10% |
世界の文化遺産 | 35% |
その他 | 10% |
それでは、問題の配点を見てましょう。
つまり、これを見ると、世界の自然遺産と文化遺産の配点が合計で45%。やはり、日本以外の遺産を300すべてを覚えないといけないのですが、暗記は必要なくとも正答できるように全部覚えるのは結構大変です。
…こんなの覚えられないよ!と弱音が出てしまいそうですが、実は2級には「合格するコツ」があるんですよ。
大事なのは「基礎知識」と「日本の遺産」、「世界の自然遺産」の3つ
世界遺産マニアとしては、重点的に勉強してほしいのが、「基礎知識」と「日本の遺産」、「世界の自然遺産」です。ここでは順番に説明しますが、言いたいのはこれらは「テキストにおいて覚えるページ数がそれほど多くない」というのが最大の理由。つまり、覚える項目が少ないので、時間がない時はここだけを集中して勉強すれば、かなり効率が良いです。
「世界の文化遺産」の配点比率は35%もありますが、実はページ数でいうと全270ページ中、約140ページにも及びます。しかし「基礎知識」は約15ページ、「日本の遺産」は約45ページのみ。「世界の自然遺産」は55件前後のみ覚えればOK。つまり、245件ある文化遺産よりも圧倒的に少ないので、覚えやすいという事情があります。
とはいえ、「世界の文化遺産」の配点は少なくはないというのも事実。これも勉強すべきではあるので、暇な時に「世界遺産マニア」の記事でも読んで勉強してみてくださいね。
それでは、それぞれのカテゴリーを詳細に説明してきましょう。
基礎知識
全文覚える!とりあえず、赤字と黒字はマスト。それ以外の文章も出題範囲なので、専門用語や年数、数字は暗記する必要はないけど、すべての項目に結びつけておきましょう。
日本の遺産
全文覚える!これも赤字と黒字はマスト。それ以外の文章も出題される可能性は高いので、地名や名称、人物、動物名、年数などは、一言一句覚えておくと高得点を狙える可能性が高い!
世界の自然遺産
赤字と黒字だけ覚える!全体の10%ではありますが、数が少ないので掲載している遺産は、文化遺産よりも集中して覚えると良いでしょう。
世界の文化遺産
これに関しては赤字と黒字だけ覚えておきたいところですが、正直出題範囲が広いので、すべては難しいとは思います。コツとしては「自分が知らないエリア」を中心に覚えておくと効率が良いでしょう。
その他
これに関しては、
・前回の世界遺産委員会の開催地・議長国・議長の名前
・次回の世界遺産委員会の開催地・議長国
・試験を受ける年や前年に登録された世界遺産
・世界に衝撃を与えた世界遺産のニュース
…このあたりから出ることもあるのですが、本当に何が出てくるかはわからんので、試験前にちょっと調べておいて、メモとかにまとめておいて、試験を始める前に見直すといいかもしれません。しかし、何が出てくるかは分からないので、勉強した分、点数に繋がるかは保証ができないのがこの分野です。
どれくらいの勉強時間で合格する?自分がどのタイプかどうか把握をすることが大事
さぁ、コツを覚えたし、これで合格間違いない!…と思ったあなた。それほど甘くはありません。今度は勉強時間の配分です。
こんなこというと元も子もないのですが、世界遺産検定試験は「世界史」と「地理」が苦手な人には合格が難しいのです。…というのは、歴史と地理を知らないと「世界の自然遺産・文化遺産」を覚えるのに圧倒的に時間がかかります。
もちろん、人によって異なるので100%当てはまるかは分からないのですが、英語が苦手な人は英語の試験の点数が低いように、世界遺産検定で必要な能力は「社会」。これが苦手な人はこれを機に勉強をし直すしかないのです。
つまり、「世界史」と「地理」さえ得意であれば、近道できるのですが、それが苦手な人は…遠回りになります。自分がどちらに当てはまるか、考えてみてください。
ということで、勉強時間とスケジュールに関しては2パターンに分けてみました。
【歴史・地理が得意!】ほぼ1ヶ月間勉強すればOK
勉強スケジュール
1〜2週間目
テキストを1回全て熟読した後、過去問を1回しましょう。そこで、自分が取れなかったカテゴリーはどこか確認。
2〜3週間目
基礎知識+日本の世界遺産はもう一度熟読。前回の過去問で、世界の文化遺産と自然遺産は半分くらい点数を取れていたのなら、軽く流す程度でOK。しかし、ここがあまり点数が取れていないのなら全体を熟読。そして、再度過去問を解いて、点数が上がったかどうか確認します。
4週間目
ここまで来たら点数の伸びなかったカテゴリーを軽く読み込むだけでOK。そして、再度過去問を解いて最終確認。苦手なカテゴリーは試験当日まで読み込みましょう。そして、時事問題対策に対して、前回の世界遺産委員会と前々回の世界遺産委員会をウェブで調べます。特に開催地・議長・議長国・新規で登録した世界遺産の名称と概要くらいは、試験前日あたりにチェック。
…これだけで平均点は軽く越えると思います。
勉強のコツ
ある程度、世界史と地理に詳しい人向けなので、テキストだけをひたすら読み込めばまず合格できると思います。しかし、日本の遺産の細かいキーワード、世界の文化遺産・自然遺産は写真がないページがあると思うので、このあたりはネットで調べておくとイメージが掴めてより覚えやすいですよ。あと、世界遺産マニアの「全世界遺産リスト」は写真付きなので便利です!
【歴史・地理が苦手!】じっくりと調べながら2〜3ヶ月は勉強するのがおすすめ
勉強スケジュール
1ヶ月目
まず、1ヶ月目はひたすらテキストを読み込むことだけに専念しましょう。そして、2周は必ずしてください。ここで大事なのは、知らない単語や地名が出てきたら、必ずネットでググりましょう。
ちなみに、世界遺産マニアでは、2級に載っている世界遺産程度ならほぼ網羅しているので、イメージ掴めなかったらぜひ検索してみてください。
あと、時間に余裕があれば、基礎知識と日本の遺産は基本的に暗記必須なので3周しても良いと思います。
2ヶ月目
1ヶ月読み込んだら、次は過去問を一回解いてみましょう。点数が平均点より低かったら、再度もう一周熟読。もし平均点に近かったら、点数の低いカテゴリーを再度入念に読み込んで見てください。ここも2週間ほど時間をかけてOKです。読み込んだら2回目の過去問で平均点を越えることを目標としてみてください。おそらくここまでやれば、最低でも平均点近くなると思います。
そして、2回目の過去問で点数を取れなかった部分がなくなってきたら、最後は流すようにテキスト全体を読んでいきます。
3ヶ月目
3回目の過去問を解いて、平均点を余裕で越えればもうOKです。あとは前日までテキストを流すように読み、暇な時に「世界遺産マニア」でも読んでみてください。
試験2〜3日前に、時事問題対策もしておきましょう。前回の世界遺産委員会と前々回の世界遺産委員会をウェブで確認。特に開催地・議長・議長国・新規で登録した世界遺産の名称と概要は、試験前日あたりにチェック。
これで平均点超えを確実に狙えるでしょう。
勉強のコツ
とにかく、基礎知識と日本の遺産は、専門用語が多すぎて苦戦するかと思います。しかし、ここはテキストの赤字と太字以外も全て出題範囲ではあるので、分からない単語はリストにして、確実に覚えておくと良いでしょう。あと、世界の遺産は自然と文化ともに、画像と位置関係がはっきりしないとイメージできないので、Googleマップや世界遺産マニアを見ながらじっくりと覚えておくと良いです。
合格への最短の道は、テキスト+過去問の購入!そして、自分の知識がどのレベルにあるか最初に確認すること。
別に回し者というわけではないのですが、やはり民間の試験ということで、テキストと過去問を購入すると合格しやすくなっています。そして、2級ならその差は歴然で、予算の都合もあるかもしれませんが、確実に合格したいのなら教材の購入費はセットで考えるしかないのです。
さらに教材を買ったからといっても合格できるわけではありません!とにかく、教材を読んですぐに理解できる人と、チンプンカンプンの人では勉強時間が異なるので、まずは自分がどのレベルにいるか、確認しましょう。
ちなみに、手前味噌で申し訳ないのですが、世界遺産マニアはこの勉強法で2級は満点で合格しました!
「やればできる」…まさに世界遺産検定は、全く素人でも対策をすれば合格できる良いシステムだと思いますので、ぜひチャレンジしてみてくださいね!
『くわしく学ぶ世界遺産300<第4版>』 世界遺産検定事務局著
『世界遺産検定公式過去問題集1・2級<2023年度版>』 世界遺産検定事務局著