登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (1), (2), (4) |
登録年 | 1984年(2005年拡大) |
カサ・ビセンスは「アントニ・ガウディの作品群」の構成資産の一つ。タイルを多用した独特の邸宅で、ガウディの初期作品であるために曲線などは見られないものの、彼の建築のルーツとも言えるもの。ところで、カサ・ビセンスはなぜ世界遺産なのでしょうか?
ここではカサ・ビセンスがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、カサ・ビセンスについて詳しくなること間違いなし!
カサ・ビセンスとは?
バルセロナの中心部からやや北西にある邸宅で、ここは2005年に追加で登録。レンガやタイル工場の社長であったマヌエル・ビセンスという人物の邸宅で、1883〜1888年頃に建造されたもの。ここは若き日のガウディが採用した「オリエンタリズム(東洋趣味)」という東洋の要素が入った建築法ではあるものの、ガウディ独自の解釈が多く見られます。
4階建ての建物には、カラフルなタイルや自然をモチーフにした装飾などが施されています。ガウディ建築の特徴でもある曲線はあまり使われておらず、直線を多用。これは彼が一人前の建築家として取り組んだ作品で、後の建築のルーツとも言える存在でもあるでしょう。
カサ・ビセンスはどんな理由で世界遺産に登録されているの?
カサ・ビセンスが評価されたのが、以下の点。
登録基準(i)
ガウディの作品は、19世紀後半〜20世紀初期にかけて世界の建築の発展に貢献したということ。
登録基準(ii)
バルセロナに残るガウディの建築物は、「モデルニスモ」の代表的なもので、やがて20世紀の近代建築の発展に大きな影響を与えたということ。
登録基準(iv)
ガウディの優れた作品は20世紀初頭の住宅と共同施設の発展にも貢献しているという点。
世界遺産マニアの結論と感想
カサ・ビセンスはガウディの初期の作品であり、オリエンタリズム様式の建築物であるもの、彼独自の解釈が見られ、20世紀の近代的な住宅の発展に大きな影響を与えているという点で評価されています。
ちなみに、東洋趣味を意味するオリエンタリズムは、あくまでもヨーロッパ人からすれば「世界を西洋と東洋に分けている」と解釈され、この見方が「うがっている」と批判されることもあります。さらには日本の「ゲイシャ(芸者)」もそのうちの一つですが、芸者の歌舞伎絵を参考にしたゴッホを含めて、東西の交流は芸術の発展に大いに貢献しているので、一概に良いか悪いかなんて言えないですけどね。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。