登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (3), (6) |
登録年 | 1983年 |
ジェロニモス修道院は「リスボンのジェロニモス修道院とベレンの塔」の構成資産の一つ。大航海時代の英雄たちを称えるために建造され、ここは王家の霊廟でもあり、偉人たちの墓であるという点でも有名。ところで、ジェロニモス修道院はなぜ世界遺産なのでしょうか?
ここではジェロニモス修道院がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ジェロニモス修道院について詳しくなること間違いなし!
ジェロニモス修道院とは?
リスボンの中心部から西に位置するベレン地区。修道院はリスボン港の入口にあり、石灰岩で築かれているため、外観は白亜の美しい建築物となっています。ここは聖書の翻訳者であった聖ヒエロニムス(ポルトガル語で「ジェロニモス」)を崇拝するヒエロニムス会の修道院で、歴代のポルトガル国王の霊廟としても利用されていました。
ここは海外航路の探検を積極的に支援したアヴィス王朝のマヌエル1世(1469〜1521年)が、大航海時代の先駆け的存在であったエンリケ航海王子(1394〜1460年)、そしてヴァスコ・ダ・ガマ(1469年頃〜1524年)の業績を称えるため、危険な航海に立ち向かう船乗りたちの精神的な支えになるように建造したとされるもの。
16世紀から建造が始まり、主要部分は完成していたものの、工事が完成したのは19世紀。中庭を囲む回廊は、ポルトガル独自で海や船、サンゴなどに関する装飾を施す「マヌエル様式」によって建造されました。
修道院内には、王家の霊廟の他に、インド航路を開拓したヴァスコ・ダ・ガマとポルトガルでも最高峰のの詩人であるルイス・デ・カモンイス(1524年頃〜1580年)の棺も置かれています。
ジェロニモス修道院はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
ジェロニモス修道院が評価されたのが、以下の点。
登録基準(iii)
ジェロニモス修道院とベレンの塔は、大陸間の航路を発見したポルトガル人の知識や開拓精神などが見られ、15〜16世紀の文化を現在に伝えるものであるということ。
登録基準(vi)
壮麗な建築物やその装飾などには、ポルトガルの黄金時代の異なる文化間の交流が見られ、ポルトガル人が大航海時代の先駆者であったということを示すもの。
世界遺産マニアの結論と感想
ジェロニモス修道院は、大航海時代の英雄たちをまつるために建造され、マヌエル様式の回廊などは、ポルトガルが大航海時代の先駆け的な存在であることを示しているという点。
ちなみに、ユーラシア大陸西端のロカ岬には「ここに地終わり海始まる」という碑文がありますが、これはルイス・デ・カモンイスの叙事詩『ウズ・ルジアダス』から出典していて、ルイス自身もアジアへと渡り歩いた軍人であることから、さまざまな経験を積んでいたようです。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。