山梨県の世界遺産「御師住宅(旧外川家住宅と小佐野家住宅)」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(3), (6)
登録年2013年

御師住宅は「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」の構成資産の一つ。富士講の案内役である御師(おし)の住んでいた住宅は、この地域の古くからの伝統が見られるもの。ところで、御師住宅はなぜ世界遺産なのでしょうか?意外と知ってそうで知らない!

ここでは御師住宅がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、御師住宅について詳しくなること間違いなし!

目次

御師住宅(旧外川家住宅と小佐野家住宅)とは?

旧外川家住宅
画像素材:shutterstock

「御師」とは、特定の社寺の信者たちのための宿泊所で、食事の用意だけでなく、参拝の案内まで行う神職のこと。特に富士講では、登山の世話を行うということもあり、非常に重要な役割をもっていました。富士吉田市の北口本宮冨士浅間神社の門前町には、100を越える御師の邸宅があったとされます。

「旧外川家住宅」は、今でも門前町に建つ住宅で、外川家は長らく御師として活躍し、現在の邸宅は1768年から増築をしつつ残されてきたもの。ここは重要文化財となり、富士吉田市によって管理されています。「小佐野家住宅」は1861年から残る住宅ではありますが、こちらは個人宅のため非公開。

御師住宅(旧外川家住宅と小佐野家住宅)はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

御師住宅が評価されたのが、以下の点。

登録基準(iii)
成層火山として雄大な富士山は、断続的な火山活動があったことから、古代から現代にいたるまで伝統的な山岳信仰が残っています。巡礼者は、山頂への登拝や麓の神社への巡礼を通じて、神仏の力を得ることを望むという富士講は富士山への深い崇拝に結びつくもの。富士山の均整のとれた美しい姿は、無数の芸術作品にもインスピレーションを与え、自然と共生しながら独自の伝統へと結びついていました。関連する文化遺産には、富士山の崇拝を中心とした伝統文化が残されているという点。

登録基準(vi)
富士山の景観は湖や海の上にそび立つように火山が位置するというイメージで、これは古くから文学や芸術などのインスピレーションを与えてきました。特に19世紀の葛飾北斎や歌川広重の浮世絵に描かれた富士山の姿は、その後、西洋美術の発展に大きな影響を与え、現在も世界中で知られる名山であるということ。

世界遺産マニアの結論と感想

御師は富士講には欠かせない存在で、彼らは案内役であると同時にその文化を守り続けていて、その伝統は彼らの邸宅に見られるという点で評価されています。

ちなみに、北口本宮富士浅間神社の社殿の一部は富士講で財を成した村上光清の出資によって造営したもの。富士吉田は富士講のメッカとなったことから、御師たちがスポンサーとなって維持されてきたという面もあります。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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