登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (1), (2), (4) |
登録年 | 1991年 |
チュイルリー庭園は「パリのセーヌ河岸」の構成資産の一つ。現在は大都会にあるフランス式庭園ですが、かつては宮殿があったことでも知られる場所。ところで、チュイルリー庭園はなぜ世界遺産なのでしょうか?
ここではチュイルリー庭園がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、チュイルリー庭園について詳しくなること間違いなし!
チュイルリー庭園とは?
パリの1区にあり、現在はルーブル美術館とコンコルド広場の間に位置する広大な庭園で、現在は庭園として公開されています。16世紀にフランソワ1世(1494〜1547年)が母のためにここを購入し、瓦(かわら)の工房があったことから、チュイルリーと名付けられました。そして、1564年、国王アンリ2世の王妃であったカトリーヌ・ド・メディシス(1514〜1589年)がここに宮殿を築くと、イタリア式の庭園も造園。
現在の庭園はフランス式庭園で、これはルイ14世(1638〜1715年)が造園家アンドレ・ル・ノートルに命じて再設計したものがベース。しかし、宮殿は1871年に焼失していまい、それ以降は再建されることがなく、現在は庭園のみが残ります。さらにその先のカルーゼル庭園にはナポレオン1世(1769〜1821年)の勝利を祝うためのカルーゼル凱旋門も当時のまま配置されていることで有名。
チュイルリー庭園はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
チュイルリー庭園が評価されたのが、以下の点。
登録基準(i)
セーヌ川沿いには、中世から20世紀にかけて建造された建築物の傑作が並ぶという点。
登録基準(ii)
ノートルダム大聖堂など優れたゴシック建築は、ヨーロッパの都市開発に影響を与え、ジョルジュ・オスマンによる都市計画は、ラテンアメリカの都市設計にも影響を与えたということ。
登録基準(iv)
パリのセーヌ川の風景や建築物は、絵画や芸術、建築などで8世紀以上に渡ってモチーフとなったという点。
世界遺産マニアの結論と感想
チュイルリー庭園は、かつては王宮があった場所だけあって、造園家による優れたフランス式庭園が残っているという点で評価されています。
ちなみに「凱旋門」というとシャンゼリゼ通りの先にあるエトワール凱旋門のほうが有名ですが、カルーゼル凱旋門はセーヌ川沿いにあるために世界遺産である一方、エトワール凱旋門は残念ながら世界遺産には含まれていないのです。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。