どの国でもストリートフードといえば、安くてお手軽でけっこう美味い!というものが圧倒的に多い。トルコでは、なんといってもケバブがそれにあたる…。と思いきや、実は日本人にはあまり知られていないが、ラフマジュンと呼ばれる辛いピザのような食べ物も大人気なのだ。そんなラフマジュンとはどんなグルメなのか?
今回は、トルコの世界遺産・ディヤルバクルの途中に味わったグルメ「ラフマジュン」を紹介。世界遺産巡りのついでに味わってほしい「世界遺産級の激ウマ・グルメ」を解説していこう。
トルコの世界遺産「ディヤルバクル城塞とヘヴセル庭園の文化的景観」は混沌とした旧市街が広がっている
トルコ南東部にあるディヤルバクルは、新石器時代からの居住地で、古代ローマ時代に築かれた城壁と周囲の農園は世界遺産に登録されている。城壁に囲まれた旧市街には、古代から神殿などが存在し、それらは現在はモスクなどにも改装され、とにかく、何千年も人々が暮らし続けただけに新旧さまざまな建造物が並んでいる。モスクの隣には近代型のビルがあったりと、この街の歴史を凝縮したようだ。
トルコ東部は、昔からクルド人の居住地で、彼らはイラクやイランなど、国境をまたいで暮らしているためにどの国でも独特の言語と文化を持っている。それもあり、料理に関してもトルコ西部とはまた異なっているのだ。市内では、トルコ料理の中でもこの地方独自のグルメが食べられるので、ご当地グルメ巡りもまた楽しい。
「ディヤルバクル城塞とヘヴセル庭園の文化的景観」の詳細はこちら
ラフマジュンはトルコ東部で発達した辛いピザ!まるで手巻き寿司のよう?
そんなディヤルバクル旧市街を歩くと、ピデと呼ばれるトルコ風のピザを出す店が多いが、メニューの中でも圧倒的な人気なのがラフマジュンだ。これは薄く平べったい丸い生地に、牛かラムのひき肉、トマト、玉ねぎ、パセリなどを混ぜて、タンドールという壷窯型オーブンで焼いたピザのような食べ物。とはいえ、ピザのようにチーズを使わないのが特徴だ。
ラフマジュンは、一緒に提供されるレタスやトマトなどの生野菜、ピクルスをのせ、レモンを絞ってからクルクルと巻き、まるで手巻き寿司のようにして食べる。なんて独特な食べ方なのだ!そして、お好みで唐辛子などを加えてくれるので、辛いもの好きにもぴったり。
その味わいは…うむむ、野菜と肉の旨味がギュッと詰まっていてジューシーなのだが、レモンとスパイスによって、非常に軽い味わい!ヘルシーなのに食べごたえ抜群なんて、理想的なファストフードかもしれん(もちろん、ピザなのでカロリーは高いが)。
…これは「世界遺産級」の味わいだ!
ラフマジュンは実は古来から続くレシピを発展させたもの
なぜにトルコ東部でピザが発展したか?というと、もともと中東では食材を詰めたり、のせたりして焼くパンは古来より存在していて、薄い平らなパンにスパイスと肉をのせて焼いたものは「ラマム・バジン(パン生地付き肉)」と呼ばれていて、これが訛ってラフマジュンになったとか。
そう思うと…18世紀にイタリアで発展したピザよりも由緒正しい進化型ピザではないか?しかし、最近は日本でも食べられる店は増えているものの…なぜか世界では弾けないローカルなピザなのである。いつかは日本でも大ヒットしそうなポテンシャルはあるのになぁ。
世界遺産のついでに世界遺産級のグルメも同時に楽しんでみてはいかが?
※こちらの内容は、あくまでも過去に現地を訪れた際に体験したものであり、最新情報はご自身でご確認ください。