登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (4) |
登録年 | 1981年(2007年拡張) |
フランス中東部・モンバールの郊外にある修道院は、厳格な戒律を重んじるシトー会最古の修道院です。ここは彫刻やステンドグラスといった華美な装飾はなく、禁欲的な生活を過ごした修道会の理想を見事に表現したもの。
ここではフォントネーのシトー会修道院がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、フォントネーのシトー会修道院について詳しくなること間違いなし!
フォントネーのシトー会修道院とは?
フォントネーのシトー会修道院は、ブルゴーニュ地方のモンバールの郊外に位置する修道院。ここは1118年に聖ベルナルドによって設立されたシトー会最古の修道院です。シトー会は祈りや瞑想などを厳密に守り、服装は白い修道服という修道会の一派で、中世においては最大の修道会でした。
ここはロマネスク様式で建造された修道院ではありますが、シトー会の概念を表現されていたため、装飾やステンドグラスなどが一切なく、非常にシンプルな構造。内部には12世紀に建造された聖母子像や祭壇などがあるだけ。最も重要な施設である教会参事会室は当時のまま残っています。他には修道士用の宿舎や食堂、鍛冶場なども保存。
しかし、シトー会の修道院は、18世紀のフランス革命時に多くが取り壊され、この修道院も製糸工場として利用された結果、建物は傷んでしまいました。そして、20世紀に銀行家によって買収。その後、修復工事が行われ、当時の姿を取り戻したのです。
フォントネーのシトー会修道院はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
フォントネーのシトー会修道院が評価されたのが、以下の点。
登録基準(iv)
フォントネーのシトー会修道院はシトー会の厳格な戒律をもとに建築され、キリスト教の建築史においても、その道徳や理想を表した優れたものであったということ。
世界遺産マニアの結論と感想
祈りと自給自足を目指した修道会においても、シトー会は特に厳格で、それが建物にも表れ、シンプルな構造になりました。シトー会の修道院はほとんどが壊されましたが、ここは見事に再現され、キリスト教の歴史の過程を示す貴重な存在であるという点で評価されています。
ちなみに、最古の修道会であるベネディクト会は、黒い修道服を着ていることから「黒い修道士」と呼ばれていますが、シトー会は白の修道服を着ているので「白い修道士」と呼ばれます。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。