ルーマニアの世界遺産「オラシュチエ山脈のダキア人の要塞群」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(2), (3), (4)
登録年1999年

ルーマニア中西部にあるオラシュチエ山脈の麓に位置する6つの要塞跡は、かつてルーマニア一帯で暮らしていたトラキア系のダキア人によって紀元前1世紀から後1世紀にかけてローマ人との戦いに備えて築かれたもの。ダキアの地は2世紀にローマ軍に征服されると同時に要塞も放棄されたため、保存状態は今でも良好です。

ここではオラシュチエ山脈のダキア人の要塞群がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ダキア人の要塞群について詳しくなること間違いなし!

目次

オラシュチエ山脈のダキア人の要塞群とは?

ブリダル/オラシュチエ山脈のダキア人の要塞群
画像素材:shutterstock

ダキア人とは、現在のルーマニアを中心に古くから暮らしていたトラキア系の民族で、ダキア王国(紀元前168年〜106年)を築き、地中海世界とは異なる独自の文化を築いていました。当時拡大しつつあったローマ帝国と敵対関係にあり、ダキア人は2世紀のダキア戦争に敗北すると、この地はローマ帝国の属州となりました。その過程で山々に築かれたのがダキア人の要塞で、ルーマニア中西部にあるオラシュチエ山脈にあるサルミゼゲトゥサ、ブリダル、ピアトラ・ロシエ、コステシュティ、カプルナ、バニツァの6つが世界遺産に登録されています。

特に「サルミゼゲトゥサ」はダキア人の王ブレビスタ(紀元前111年頃〜紀元前44年頃)が設立したとされるダキア王国の首都で、ここに残る要塞はムルス・ダキクスと呼ばれる、2つの外壁の隙間に砂利、セメント、粘土、土などを入れて強化した堅固な城壁で囲まれていました。これらの要塞には古代世界と後期鉄器時代の軍事や宗教関連の建築物の融合が見られるのが特徴で、陶器の工房や貨幣の鋳造所なども見られ、ダキア人の高度な文化や軍事技術が見られます。

オラシュチエ山脈のダキア人の要塞群はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

サルミゼゲトゥサ/オラシュチエ山脈のダキア人の要塞群
画像素材:shutterstock

ダキア人の要塞群が評価されたのが、以下の点。

登録基準(ii)
ダキア人の要塞は、独自の様式を持つ古代世界の各地の軍事建築の技術の融合が見られるという点。

登録基準(iii)
紀元前1000年後半にこの地で発展したダキア人の部族連合は、文化や社会としても高い水準に達していて、これらの要塞は彼らのシンボル的な存在であるということ。

登録基準(iv)
オラシュチエ山脈の丘陵地帯に築かれた要塞と城塞都市は、ヨーロッパの後期鉄器時代の中でも特徴的なもので、当時の防御施設の際立った例であるという点。

世界遺産マニアの結論と感想

オラシュチエ山脈の築かれた要塞群は、古代における軍事技術の融合が見られ、ここはダキア人による高度な文明が見られる優れた城塞都市の跡であるという点で評価されています。

ちなみに、ダキア人は要塞のイメージ的に軍人のほうが多いイメージがありますが、割と農業が盛んでありました。ダキア人の文化として古くから残るのが養蜂。今でもルーマニアではアプセラピー(ミツバチのセラピー)が盛んで、各地ではちみつ製品が作られています。そして、ミツバチの国立研究所まで設立されていて、医薬品にも採用。ルーマニアのハチミツは世界でも注目されています。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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