登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (5) |
登録年 | 2012年 |
スウェーデンの東部にあるヘルシングランド地方には、18〜19世紀に築かれた木造家屋があり、その中でも伝統的装飾が施された7つの家屋が世界遺産に登録されています。家屋には富を得た農民たちが、室内にバロックやロココ式など、豪華な装飾を施していて、これらは民族文化の到達点とも言えるもの。
ここではヘルシングランドの装飾農家群がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ヘルシングランドの装飾農家について詳しくなること間違いなし!
ヘルシングランドの装飾農家群とは?
スウェーデン東部、ヘルシングランド地方イェヴレボリ県には木造家屋が1000以上残っています。その家屋の中でも豪華な7つの木造家屋は、12〜16世紀に起源があり、19世紀に室内を豪華な装飾にしたもの。一部西部のダーラナ県に存在しますが、ここは19世紀はヘルシングランド地方に含まれていました。
ヘルシングランド地方に当時住んでいた農民は、亜麻の栽培や森林開拓によって富を得た者もいて、彼らは室内にバロックやロココ式、18世紀にスウェーデンで流行したグスタヴィアン様式など、豪華な装飾を施しました。これらの作業を担当したのは、ヘルシングランド地方や西部のダーラナ地方などを巡る放浪画家で、富を得た農民たちはわざわざ彼らを呼び寄せて豪華な内装を各家に加えることにより、その富と名声を示していました。
特に祝祭用の部屋は美しい装飾が見られ、ここは普段は使用されず、特別な行事の時にだけ使用されていました。外観とは全く異なり、壁や天井にカラフルな絵画が描かれ、織物などが施されています。絵画のテーマとしては聖書が主軸ではあるものの、当時の流行なども分かるのが特徴。
ヘルシングランドの装飾農家群はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
ヘルシングランドの装飾農家が評価されたのが、以下の点。
登録基準(v)
ヘルシングランド地方に残る農家の家屋、特に祝祭用の部屋は、豪華な装飾を施していて、これらは裕福な農民たちの富や地位を示し、北欧の民族文化の到達点ともいえるもの。
世界遺産マニアの結論と感想
ヘルシングランド地方に残る装飾農家は、富を得た農民たちがその名声を得るために建造し、特に祝祭用の部屋などは、結果的に北欧の長い文化的伝統の総決算的なものとなったため評価されているのです。
ちなみですが、この地方の中心都市であるイェヴレには、クリスマス飾りとして藁でヤギを作るのですが、街の中心に巨大なヤギは何故か放火されることが多いという悲しい運命にあるのです。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。