登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (3), (5) |
登録年 | 2013年 |
中国南部を流れる紅河沿いには世界でも最大規模の棚田が続くエリアがあります。ここは山岳地帯に暮らすハニ族が1300年に渡り、自然環境を利用した棚田から赤米を作り続けていて、そのシステムそのものが文化的景観として世界遺産に登録されました。
ここでは紅河ハニ(哈尼)棚田群の文化的景観がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、紅河ハニ棚田について詳しくなること間違いなし!
紅河ハニ(哈尼)棚田群の文化的景観とは?
紅河ハニ棚田は、ベトナムとの国境に近い雲南賞の南部の山岳地帯に位置していて、ここは酸化鉄で川が赤く見えるという紅河沿いの斜面に作られたもの。これらは北西から移住してきたハニ族という少数民族によって密林を切り開いて作られ、1300年以上も利用され続けています。世界遺産として登録されているのは、約166平方kmもの広大なエリアで、3000もの田んぼで構成。
この地は亜熱帯地方に属していて、降水量が多いことから、ハニ族は峡谷が続くこの地の森林や水路を利用して複雑な灌漑システムを作り出しました。ハニ族は水牛や牛、アヒル、魚などを利用して赤米を耕作できるようにして、伝統的な暮らしを続けています。
景観は森林、水路、田んぼ、キノコ型の伝統的な住宅の4つで構成され、村よりも高い位置にある森林は木材や食料などを生み出すことで神聖視され、守護神と村の人々の魂が祀られています。棚田は人間と神が一つになった社会構造にもなっていて、自然に敬意を払いつつ土地を管理するというシステムであるというのも特徴。
紅河ハニ(哈尼)棚田群の文化的景観はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
紅河ハニ棚田が評価されたのが、以下の点。
登録基準(iii)
紅河ハニ棚田は、長期的に維持できる独特の経済システムであると同時に宗教的役割もあり、これらは農業や林業、水配分システムに繋がるという点。
登録基準(v)
紅河ハニ棚田は、1000年以上に渡って農業と水管理に利用されるだけでなく、人間と神との関係を示すものでもあり、自然との相互作用を示すものであるということ。
世界遺産マニアの結論と感想
紅河ハニ棚田は、1300年以上にも渡って少数民族ハニ族が厳しい環境を開拓して作り出した壮大な経済システムで、それと同時に人々に崇められてきた存在であるという点でも評価されています。
ちなみに、ハニ族は東南アジアではアカ族と呼ばれる民族。村の入口にある門は、日本の神社の鳥居によく似ていて、彼らは自然崇拝のアニミズムであるという共通点があります。実は彼らの骨格は弥生時代の日本人の人骨とよく似ていて、日本人のルーツではないか?という説もあるほど。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。