エチオピアの世界遺産「アワッシュ川下流域」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(2), (3), (4)
登録年1980年

エチオピア北東部に広がるアワッシュ川下流域は、アフリカの大地溝帯にあり、この地層からは約400万年前に生息していた人類の化石が多く発見されています。1974年には、320万年以上前に二足歩行をしていたという猿人アウストラロピテクス・アファレンシスの化石「ルーシー」が発見され、これは古人類学においては歴史的発見でもありました。

ここではアワッシュ川下流域がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、アワッシュ川下流域について詳しくなること間違いなし!

目次

アワッシュ川下流域とは?

アワッシュ川下流域
画像素材:shutterstock

アワッシュ川はエチオピア東部を流る川で、下流域はアフリカ大陸を縦断する大きな渓谷、大地溝帯に属するエリア。ここは火山活動が盛んであるため、火山灰が多く積もることから、動物や植物の化石が多く保存されてきました。そして、地殻変動によって過去の堆積物が流れるという地形でもあります。

川沿いのハダールと呼ばれる村の近くで、1974年に歴史的発見がありました。ここで発掘された化石が、教科書にも記載がある、320万年以上前に二足歩行をしていたという猿人アウストラロピテクス・アファレンシスの化石「ルーシー」。これは全身骨格の約4割が発掘されたメスの類人の化石で、オスとメスで体格差があることも分かり、現在の人類(ホモサピエンス)の遠い祖先と当時は考えられ、古人類学においては非常に貴重な資料となりました。

1973年から国際的な専門家たちによる調査が行われ、1980年に終了しました。そして、1999年に中流域で、アルディピテクス・ラミドゥスの「アルディ」という約440万年前の猿人も発見。こちららルーシーよりも古い時代に生息していた人類化石で、現在の人類の祖先であるという説もあります。

アワッシュ川下流域はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

ルーシーの化石/アワッシュ川下流域
画像素材:shutterstock

アワッシュ川下流域が評価されたのが、以下の点。

登録基準(ii)
アワッシュ川下流域で発見された人類化石は、人間(ホモサピエンス)の過程の進化を証明するものであるという点。

登録基準(iii)
アワッシュ川下流域で発掘された遺跡は、ほぼ400万前に遡るほどに古いものであるということ。

登録基準(iv)
アワッシュ川下流域で発掘された人類の化石は、人類の進化において貢献する資料であるという点。

世界遺産マニアの結論と感想

アワッシュ川下流域ではルーシーを含め400万年前からここで生息していたアウストラロピテクス・アファレンシスの足跡を示す遺跡が存在し、発掘された化石は人類の進化を証明し、古人類学に関しては重要な資料であるという点で評価されています。

ちなみに、ルーシーの名はビートルズの楽曲『ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ』から由来していて、発掘された日はお祭り騒ぎでこの曲が流れていたため、誰かしらかがこの名を付けたとか。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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