北マケドニア・アルバニアの世界遺産「オフリド地域の自然遺産及び文化遺産」とは?世界遺産マニアが解説

  • URLをコピーしました!
登録区分複合遺産
登録基準(1), (3), (4), (7)
登録年1979年

北マケドニアとアルバニアの間に位置するオフリド湖。ここは「古代湖」として有名で、多様な生態系が見られる豊かな湖です。湖畔に広がる町は、ヨーロッパで最も古い居住地の一つ。湖沿いにはスラブ地域最古の修道院を含む、7世紀から19世紀の間に建設された教会や修道院が点在しています。

ここでは、オフリド地域の自然遺産及び文化遺産がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、オフリドについて詳しくなること間違なし!

目次

オフリド地域の自然遺産及び文化遺産とは?

画像素材:shutterstock

北マケドニアとアルバニアにまたがるオフリド湖は、その古代湖の自然遺産としての価値だけでなく、周囲に残る遺跡や教会など、文化的遺産も評され、複合遺産となっています。

オフリド湖は、世界でも有名な古代湖で、その歴史は約500万年前に遡るとされ、栄養が多く、多様な生態系が見られます。ここに住む生物は、太古の生物相から由来するものも多く、藻類、カタツムリ、甲殻類、17種の固有種の魚など、200種以上の動植物が生息。

オフリドは紀元前12〜4世紀には、バルカン半島西部に住んでいたイリュリア人が定住し、当時は「リュクドニス」と呼ばれていました。やがてローマ帝国に属するようになり、7世紀にはスラブ人がこの地に移住を始めます。9世紀には第一次ブルガリア帝国に支配され、帝国の首都となり、総主教座も置かれるように。当時はキリスト教の聖地として栄えたものの、14世紀にはオスマン帝国に支配されると、キリスト教徒は急激に減ってしまいました。

画像素材:shutterstock

湖の北東にあるオフリドの町は、ヨーロッパの中でも最も古い居住地の一つ。町は7〜19世紀の間に造られた建築物があり、その中にはスラブ地域で最古の修道院と、11〜14世までのビザンティン様式のイコンが合計で800以上も残ります。

旧市街には7つの大聖堂跡が残っており、これらは4〜6世紀の初めに建てられたもの。ここではモザイクの床が発見され、初期キリスト教の特徴が残っています。そして、現在の旧市街は、18〜19世紀にかけて建築された、オスマン帝国時代後期の邸宅も多く見られる町並みに。

オフリド湖の北岸にあるストルガの町も先史時代から人々が住んだという形跡が残っていて、新石器時代、青銅器時代、マケドニア時代、ローマ時代、中世の遺跡が点在。2019年にはアルバニア側も追加され、湖の西側から南側までがアルバニア領になっています。湖の西岸にあるリン半島には6世紀に設立された初期キリスト教会跡も残っていて、モザイク床の保存状態も良好。

登録されている主な構成遺産

聖パンテレイモン修道院

画像素材:shutterstock

聖クリメントによって9世紀に建設された修道院。当時の教育機関として栄え、文化の中心地でもありました。現在、東欧で広く使用されているキリル文字を初めて教えた場所としても知られます。現在の修道院は再建されたもので、周囲からは4〜6世紀ころのバシリカの洗礼場が発見されました。

聖ナウム修道院

画像素材:shutterstock

オフリド湖の南岸にある17世紀に再建された主聖堂。10世紀からこの地に修道院が作られていて、多くの巡礼者が訪れていました。

聖ヨバン・カネヨ聖堂

画像素材:shutterstock

13世紀に建造されたとされている聖堂。かなり古くから建つ聖堂で、1964年の修復作業の際にはドーム内にフレスコ画が発見されました。オフリド湖を見下ろす丘の上に位置していて、ここからの眺めはオフリド湖を代表する風景。

オフリド地域の自然遺産及び文化遺産はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

画像素材:shutterstock

オフリドが評価されたのが、以下の点。

登録基準(i)
オフリドには先史時代の遺跡、7〜19世紀に作られた宗教建築と、18〜19世紀の都市構造などが残り、それらは歴史的や文化的な価値を示しているということ。

登録基準(iii)
湖沿いにある宗教建築、フレスコ画、イコンは、この地が何世紀にもわたって宗教の中心地として君臨していたという点。

登録基準(iv)
湖の周辺は、4〜6世紀の初期キリスト教会の跡が残り、9〜14世紀にかけて造られた建物が数多く残るという点。

登録基準(vii)
古代湖として500万年の歴史を誇るオフリド湖は、固有種なども多く、自然遺産としての価値が高いということ。

世界遺産マニアの結論と感想

とにかく、湖にまつわる文化やその自然環境など、ありとあらゆるものが対象となる遺産ですね。オフリド湖はその湖としての価値はかなり高いのですが、初期キリスト教の発展から中世の熟成期まで、それらが湖周辺で見られるというのも評価の対象となっています。

ちなみに、ヨーロッパでも複合遺産は少ない上に、2つの国にまたがるという遺産は非常に珍しいパターンですね。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

目次
閉じる