スウェーデンの世界遺産「エーランド島南部の農業景観」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(4), (5)
登録年2000年

スウェーデン南東部に浮かぶエーランド島は、石灰岩の痩せた土地にもかかわらず、5000年にも渡って人類がここで暮らしてきた証拠が多く残っています。島に点在する先史時代の遺跡や、今でも現役の400もの水車が並ぶその風景は、文化的景観として登録。

ここではエーランド島南部の農業景観がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、 エーランド島について詳しくなること間違いなし!

目次

エーランド島南部の農業景観とは?

エーランド島南部の農業景観
画像素材:shutterstock

スウェーデンの南東部、バルト海に浮かぶエーランド島の南部は、石灰岩に囲まれた土地。痩せた土地であるにもかかわらず、島に住む人々は耕作地と牧草地を開梱して生活を続けてきました。

島内には先史時代の遺跡が残っていて、木造の小屋の跡からは狩猟などが行われてきたことが分かっています。そして、5世紀に築かれた鉄器時代の要塞跡があり、9〜11世紀にはヴァイキングの集落がここに築かました。島には16〜18世紀に建設された400もの風車が点在していて、人々が先史時代から5万年にも渡ってここで暮らしてきたという証拠が多く残っています。

エーランド島南部の農業景観はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

エーランド島南部の農業景観
画像素材:shutterstock

エーランド島が評価されたのが、以下の点。

登録基準(iv)
エーランド島の南部には、古くからの文化が見られ、人々が痩せたこの地にうまく適応して暮らしてきたという景観が見られるということ。

登録基準(v)
エーランド島の南部は、一つの島の中でさまざまな地形があり、それを見事に利用してきた人類の定住地の例であるという点。

世界遺産マニアの結論と感想

文化的景観ということで、島全体が登録されていて、非常に分かりづらい遺産ではありますが、先史時代の遺跡から比較的新しい風車など、古来からこの痩せた土地を見事に利用して暮らしてきたという点を含めて評価されています。このような厳しい地形をいろいろと利用した定住地は世界でもなかなかないというのもポイント。

ちなみに、エーランド島は、地理的には島ではあるのものの、本土とは橋で繋がっているので、EUの定義では「島」と認められず、補助金がもらえないとのこと。橋の開通は、便利になるものの、扱いとしては「島」にしてもらえないというのが世知辛いところ。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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