登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (1), (4) |
登録年 | 1986年 |
イングランド北部にあるファウンテンズ修道院は12世紀に築かれたものの、16世紀に修道院が解散となり、現在は廃墟になっています。18世紀に政治家のジョン・エイズラビーがこの地を購入すると、庭園と水車、修道院跡を中心とした美しい庭園を造りました。現在はナショナル・トラストという歴史建造物などを保護する民間団体によって管理されています。
ここではファウンテンズ修道院遺跡群を含むスタッドリー王立公園がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、スタッドリー王立公園について詳しくなること間違いなし!
ファウンテンズ修道院遺跡群を含むスタッドリー王立公園とは?
イングランド北部にあるノース・ヨークシャー州にあるスタッドリー王立公園は、18世紀に政治家のジョン・エイズラビーと息子のウィリアムによって造園・整備された、英国式の風景式庭園。ここは12世紀に建造されたファウンテンズ修道院があり、現在は廃墟となっていますが、かつてはヨーロッパでも最大規模のシトー会の修道院でした。シトー会は労働と学習を重んじる修道会でありましたが、ここはノルマン様式が見られる壮麗な建造物だったという点が特徴。
しかし、16世紀のヘンリー8世の修道院解散令によって廃墟となってしまい、その後、近くにエリザベス朝様式のファウンテンズ・ホールが建造。18世紀になると、廃墟跡には美しい風景式庭園が築かれ、ジョージ王朝時代の水生植物園まであります。19世紀にはヴィクトリア朝時代にセント・メアリー教会が建造され、さらに発展。
1983年にナショナル・トラストという歴史建造物などを保護する民間団体によって管理され、現在も整備や修復が進められています。
ファウンテンズ修道院遺跡群を含むスタッドリー王立公園はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
スタッドリー王立公園が評価されたのが、以下の点。
登録基準(i)
スタッドリー王立公園は、イングランドでも最大規模の中世の遺跡で、それを景観に取り入れたという独創的な風景式庭園は傑作であるということ。
登録基準(iv)
スタッドリー王立公園は、かつてイングランドでも格式の高かった修道院の遺跡、ファウンテンズ・ホール、聖マリア教会、水生庭園を含み、ここは中世の修道院の繁栄と19世紀のヨーロッパの上流階級の人々の趣味などが見られるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
スタッドリー王立公園は、かつてイングランドでも繁栄したファウンテンズ修道院跡があり、シトー会の繁栄の証拠と、遺跡を庭園に取り入れたという独創性は、18世紀の貴族たちの嗜好なども見られるという点で評価されています。
こんな広大な庭園を作ったジョン・エイズラビーですが「南海飛沫事件」という株価の暴落によって破産。自殺者を多く出した事件に関与したとして、ロンドン塔に投獄されたことも。ある意味、世界遺産の庭園を作った後、世界遺産に登録された牢屋に入れらるという、レアな人生を歩みました。ちなみに、すぐに釈放されたので、政治家を引退し、造園に没頭して余生を過ごしたそうな…。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。