ベルギーの世界遺産「ラ・ルヴィエールとル・ルーにあるサントル運河の4つのリフトとその周辺 (エノー州)」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(3), (4)
登録年1998年

ベルギー南西部にあるサントル運河(旧運河)は、ラ・ルヴィエールとル・ルーを結び、ここには4つの閘門があり、それぞれに水力式の船の昇降装置(リフト)があります。19世紀末から20世紀初頭に建造された8つの昇降装置の中でも、唯一可動してるのはサントル運河の4つだけ。しかし、近くに新運河が開通したため、現在は観光用に利用されています。

ここではラ・ルヴィエールとル・ルーにあるサントル運河の4つのリフトとその周辺 (エノー州)がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、サントル運河の4つのリフトについて詳しくなること間違いなし!

目次

ラ・ルヴィエールとル・ルーにあるサントル運河の4つのリフトとその周辺 (エノー州)とは?

サントル運河
画像素材:shutterstock

サントル運河はベルギー南西部のエノー州にあり、ラ・ルヴィエールとル・ルーにあるチューという2つの街を結ぶもの。エノー州は石炭が豊富であったのですが、これらをドイツやフランスへと運ぶ水路は存在しておらず、ムーズ川とエスコー川という他国へと続く川へと結ぶために1884年から採掘が始まり、1888年に1つ目のウドン=ゴウニーのリフトが完成すると、残り3つのリフトは1917年に完成しました。

全長は20.9kmという運河としては短距離のものではありますが、高低差は66.2mもあり、さらには利用できる水の量が少ないという問題がありました。それを解決するために考案されたのが、4つのリフトを建造し、それぞれの閘門にプール(閘室)に水を出し入れして15.40〜16.93mの高低差で移動できるようにするという独特なシステム。周囲には機械を収容する建造物やスタッフの小屋なども置かれていました。19世紀末から20世紀初頭に建造された8つの昇降装置の中でも、唯一可動してるのはサントル運河の4つだけ。

しかし、2002年に旧運河の近くに新運河が開通し、これには高低差73mの昇降ができるストレピ=ティウ船舶昇降機が備えているために、旧型のリフトは現在レジャー用として利用されています。

ラ・ルヴィエールとル・ルーにあるサントル運河の4つのリフトとその周辺 (エノー州)はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

サントル運河
画像素材:shutterstock

サントル運河の4つのリフトが評価されたのが、以下の点。

登録基準(iii)
サントル運河のリフトは、19世紀のヨーロッパの水力工学の発展を示す証拠であるという点。

登録基準(iv)
4つのリフトは、運河建設に対する工学技術の頂点を示すものであるということ。

世界遺産マニアの結論と感想

サントル運河の4つの昇降装置は、高低差のある地形を船で移動するために建造されたもので、これらは19世紀のヨーロッパにおける水力工学の頂点を示すという点で評価されています。

ちなみに、ラ・ルヴィエールの街の起源は、雌のオオカミが人の子を育てて建設されたという古代ローマのような神話があり、広場にはオオカミの銅像があります。しかし、実は12世紀設立とそれほど古くありません。ただ周囲はオオカミが住んでいた場所とされ、古フランス語で「オオカミの住処」を意味する言葉がこの地には名付けられていたので、それがごっちゃになって生まれた伝説なのでしょう。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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