登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (1), (3), (6) |
登録年 | 2001年 |
ボツワナ北西部に位置するツォディロは、カラハリ砂漠のわずか10平方kmという狭いエリアに、4500もの岩絵が並び、「砂漠のルーブル美術館」と呼ばれるほど。ここは10万年に渡ってこの地域で暮らし続けた狩猟民族サン族の生活を描いたもので、岩絵からはこの地の環境の変化なども見られます。
ここではツォディロがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ツォディロについて詳しくなること間違いなし!
ツォディロとは?
ボツワナの北西部のカラハリ砂漠。ナミビアの国境近くにあるツォディロの丘陵には、古くからアフリカ南部に住む狩猟民族・サン族が10万年以上前から19世紀まで描き続けた岩絵が残っています。ここはわずか10平方kmという範囲に、4500もの岩絵が集中していて、これだけの高密度で並ぶ岩絵群は世界でも珍しいもの。
岩絵は洞窟や空洞などに残っていて、サイやキリンや赤い顔料で、牛は白い顔料で描かれています。ここは石器時代から岩絵が描かれ続け、この地域の人々の暮らしの変化が見られ、時代とともに人々が環境に合わせて生きてきたという証拠にもなっているのが特徴。現在でも地元の人々にとっては、ここは祖先の霊が訪れる聖地として崇拝されています。
ツォディロはどんな理由で世界遺産に登録されているの?
ツォディロが評価されたのが、以下の点。
登録基準(i)
ツォディロの丘陵は、何千年もの間、カラハリ砂漠の過酷な環境で人々が定住してきたということを示すということ。
登録基準(iii)
ツォディロは、何千年もの間、人々がずっとこの地で継続的に暮らしてきたという証拠にもなっているという点。
登録基準(vi)
ツォディロの丘陵は、厳しい環境の中で生き続けた人々にとって、宗教的なシンボルであるということ。
世界遺産マニアの結論と感想
ツォディロの丘陵は、砂漠という過酷な環境の中で、狩猟民族であるサン族がずっとここで暮らし続けてきたという証拠でもあり、今でも聖地となっているほどに宗教的なシンボルとなっているという点で評価されています。
サン族は、アフリカ最古の民族で、世界でも珍しいリーダーのいない共同体として有名。そして、父と父の兄弟、母と母の姉妹は区別しないというのも不思議なところで、彼らはとことん平等主義なのです。さらに文字も使用せず、伝承もほぼ残さないので、彼らのことを研究するのは難しいのですが、その中でも理解するための一つのパーツとしてあるのはこの岩絵。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。