登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (2),(4) |
登録年 | 1994年 |
東寺(教王護国寺)は「古都京都の文化財」の構成遺産の一つ。五重塔は京都のシンボルであり、木造塔としては日本一の高さを誇ります。ところで、東寺はなぜ世界遺産なのでしょうか?意外と知ってそうで知らない!
ここでは東寺(教王護国寺)がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、 東寺について詳しくなること間違なし!
東寺(教王護国寺)とは?

南区にある真言宗の総本山。世界遺産としては、宗教法人としての名称である「教王護国寺(きょうおうごこくじ)」が採用されているものの、平安京を鎮護するための宮寺として796年に羅生門の東西に建立されたため、創建当時から「東寺」と呼ばれていました。よって、現在では2つが名称を使用されているというのが実情。
真言宗の宗祖である空海(弘法大師)が嵯峨天皇から東寺を下賜されると、ここは真言密教の道場となりました。金堂は9世紀前半には完成したとされ、東寺でも最も古い建造物とされますが、現在の建造物は1603年に豊臣秀頼の寄進によって再建。和様と平安時代後期に生まれた大仏様(だいぶつよう)が併用されたというのが特徴で、広大な内部空間に重要文化財の薬師如来坐像が置かれています。
五重塔
寺のシンボルである五重塔は、空海によって創建されたとされますが、実際は9世紀末とされています。何度も消失していて、現在の塔は1644年に徳川家光の寄進によって再建され、5代目でもあります。
東寺(教王護国寺)はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

東寺が評価されたのが、以下の点。
登録基準(ii)
京都は8〜17世紀にかけて、宗教と世俗的な建築様式や庭園設計が発展した場所であり、日本伝統文化の形成に貢献してきました。そして、庭園設計は19世紀以降、世界中に大きな影響を与えたという点。
登録基準(iv)
京都の文化財に見られる建築と庭園設計は、日本の前近代の文化における最高の表現であるということ。
世界遺産マニアの結論と感想
東寺は平安京時代からの歴史を誇る寺院で、五重塔や金堂などは、建築史に残る傑作でもあり、その後の日本の仏教建築に大きな影響を与えているという点で評価されています。
ちなみに、東寺があるのなら「西寺」もあったのでは?と疑問に思うと思いますが、実は同じ時代に完成したらしく、平安時代には羅生門の近くに存在していたものの、鎌倉時代には廃寺になったと考えられていて、現在は存在していません。東寺からしばらく西に行くと、国の史跡「西寺跡(さいじあと)」が残っていますが、今ではちょっとだけ遺構があるだけ。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。