登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (7),(10) |
登録年 | 1991年 |
ジャワ島西端のウジュン・クロン半島とスンダ海峡に浮かぶ火山島群から構成される国立公園。特にクラカタウの島々は、1883年までこの地に存在していたクラカタウ火山が噴火し、崩落して形成されたもの。半島にはジャワ島最大の低地熱帯雨林が広がっていて、特に絶滅危惧種のジャワサイが生息することでも有名です。
ここではウジュン・クロン国立公園がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ウジュン・クロン国立公園について詳しくなること間違いなし!
ウジュン・クロン国立公園とは?
ジャワ島の南西部にあるウジュン・クロン半島と、スマトラ島との間に広がるスンダ海峡に浮かぶクラカタウ諸島自然保護区も含めて世界遺産に登録されています。
クラカタウには、もともと直径15kmほどの火山島があったものの、ここは1886年の大噴火によって、火山が崩壊し、島の南部だけ(現在のラカタ島)が残り、1927年に海中から小さな火山島であるアナク・クラカタウ島が形成されました。特にこの1886年の大噴火は、死者が3万6000人に至るほどの被害が発生し、半島と周辺の島々も火山灰で埋もれてしまいました。そのため、この地に存在していた、熱帯雨林は減少。
ウジュン・クロン国立公園はインドネシア初の国立公園で、半島はジャワ島最大規模の低地熱帯雨林が広がっているのが特徴。ジャワ島は開発が進められていて森林地帯が減少しているものの、ここは絶滅危惧種であるジャワサイの保護区が登録されていて約60頭が生息していると考えられています。他にも野生の牛であるバンテン、カニクイザルなど、絶滅危惧種も生息。鳥類は270種以上発見されていて、インドクジャクなども見られます。
ウジュン・クロン国立公園はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
ウジュン・クロン国立公園が評価されたのが、以下の点。
登録基準(vii)
ウジュン・クロン国立公園は、熱帯雨林やマングローブ林、サンゴ礁などの美しさ景観が続き、それに加えてクラカタウは、近年の火山活動の影響が見られる例であり、火山活動と相まって地形などの形成過程を示す島々が含まれているという点。
登録基準(x)
ウジュン・クロン国立公園は、ジャワ島でも最も広大な低地熱帯雨林を保護されていて、世界でも唯一のジャワサイの生息地であり、それを含めてジャワヒョウ、ワウワウテナガザル、ジャワリーフモンキー9種の哺乳類は絶滅危惧種に登録。マレーガビアルやイリエワニなど、爬虫類や両生類なども保護されているということ。
世界遺産マニアの結論と感想
ウジュン・クロン国立公園は、1886年の大噴火の影響による火山活動による地形の形成過程が見られ、ジャワ島でも最大の低地熱帯雨林の保護区であり、世界でも唯一のジャワサイの保護区があるだけでなく、絶滅危惧種を含めて貴重な動物が見られるという点で評価されています。
1886年の大噴火は成層圏まで噴煙が飛んでいき、その影響か、異様な色の夕焼けが世界各地で見られました。ちなみに、ノルウェーの画家エドヴァルド・ムンクの代表作である『叫び』は、彼がこの不吉な夕焼けから不安を覚えて描かれたもの。…まさかこんなところにまで影響があったのは割と知られないところ。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。