世界遺産におけるバッファーゾーンとは?わかりやすく解説!

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世界遺産に登録されたエリアで、よくバッファ・ゾーンと聞きますが、これは一体なのことでしょうか?一般的には世界遺産に登録されたエリアの「周り」を指すのですが、これを設定するとどんな利点があるのか…ピンと来ないですよね。

今回はバッファーゾーンを世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、バッファーゾーンについて具体的に理解できること間違いなし!

目次

バッファ・ゾーンとは?緩衝地帯(コア・ゾーン)とはどう違う?

マチュピチュ/バッファ・ゾーン
画像素材:写真AC

バッファ・ゾーンを和訳すると「緩衝地帯」となり、本来は国と国の間にある非武装地帯を指すことが多いですね。ここから転用して、世界遺産にも利用されることになりました。世界遺産には、遺産の中心部である核心地帯(コアゾーン)とその周りの緩衝地帯(バッファゾーン)があって、核心地帯の周りに設定されることが多い傾向に。つまり、バッファ・ゾーンは、世界遺産の景観を保存するために開発を制限しているエリアを指します。特に京都などは世界遺産に登録されているお寺の周りに高い建物がないといったように、バッファ・ゾーンがあるからこそ開発が制限できるのです。

世界遺産条約は、核心地帯とバッファー・ゾーンの概念を用いています。当初はバッファ・ゾーンに関する記述はなかったものの、2005年にはバッファー・ゾーンに関する作業指針が追加されて、遺産保護の観点からバッファー・ゾーンの設定が自然遺産と文化遺産において非常に重要となっています。

実際にバッファー・ゾーンは世界遺産登録の範囲に含まれないものの、世界遺産リストを記載した後に修正する場合は、世界遺産委員会の承認を得る必要があるのです。また、バッファー・ゾーンを設定しない場合は、その理由を登録推薦書に明記しなければいけません。それほどに世界遺産においてバッファ・ゾーンは重要なのです。

トランジション・エリアとは?

バッファ・ゾーン
画像素材:写真AC

さらに、バッファ・ゾーンの外側には「トランジション・エリア」という概念もありますが、実は世界遺産ではこの概念は採用していません。

よって、「バッファー・ゾーンのすぐ外では開発できてしまう」という解釈もできてしまうのです。せっかく世界遺産に登録されても、バッファ・ゾーン以外では、森林伐採や都市開発などが進むケースもあって景観や環境が損なわれるケースも。トランジション・エリアをどう扱うかは、今後の課題となっています。

世界遺産マニアの結論と感想

まず、ユネスコのHPから各遺産のマップを見ると、コア・ゾーンとバッファ・ゾーンがはっきりと分かれている遺産が多いですね。世界遺産においては、バッファ・ゾーンがすごく重視されているので、これを知っているだけで「あそこからあそこまでが世界遺産!」と、現地を訪れた時になんとなくマニアっぽい観点で楽しめますよ。

※写真はイメージです
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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