世界遺産委員会は、世界遺産に関して話したり、世界遺産の登録を審議する組織のこと。とはいえ、世界遺産委員会のメンバーはどうやって決定されるのでしょうか?
そんな世界遺産委員会を世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、世界遺産委員会について詳しくなること間違いなし!
世界遺産委員会では何をするの?
世界遺産委員会は、通常1年に1度開催されます。メンバーは世界遺産条約締約国のうち、世界遺産条約締約国総会で選出された21か国の委員国で構成。委員会の任期は6年とされていますが、 各締約国に均等に機会が与えられるようにするため、 自発的に「4年で任期を終えること」と「再選はしない」ということにはなっています。
主に行うことはこの5つ
・世界遺産の新規推薦物件と拡大登録申請物件の審議
・危機遺産リストの加除
・世界遺産リスト登録遺産の保全状況
・世界遺産基金の使途の決定
・モニタリング及び報告書を通した調査
開催期間にやることは多いですが、「世界遺産として認めるか認めないか」を最終決定するのが、世界遺産委員会の役割なのです。
議長国を含めて委員国はどうやって選出される?
1976年の世界遺産条約締約国会議において、当初は締約国の中から選ばれた15ヵ国で構成されてました。しかし、世界遺産条約締約国が40カ国に達したため、1977年の第1回世界遺産委員会からは21ヵ国に増枠。
世界遺産委員会では、議長国1ヵ国、副議長国5ヵ国、書記国1ヵ国の7ヵ国で構成される任期1年のビューロー(事務局)会議を設置します。こちらのピューロー会議は内閣のような存在で、世界遺産委員会の進行や日程の決定を行って、世界遺産委員会の最終日に、次回の世界遺産委員会のビューロー会議構成国を決定するのです。
委員国の選出は地域ごとに枠があり、「西欧・北米(グループI)」から2カ国、「東欧(グループⅡ)」から2ヵ国、「ラテンアメリカ・カリブ海 (グループⅢ)」から2ヵ国、「アジア・太平洋(グループIV)」から3ヵ国、「アフリカ (グループVa)」から4ヵ国、「アラブ(グループVb)」から2ヵ国が最低でも選ばれるように。
開催地はどこ?
基本的に毎年場所は変更になるのですが、ユネスコの本部があるパリが圧倒的に多くて、9回と最多。ちなみに、日本では1998年に京都で開催されたことも。
世界遺産マニアの結論と感想
基本的に世界遺産委員会こそが世界遺産として登録されるか否かの最期の砦といってもいいでしょう。世界遺産を目指すなら、毎年夏ころに開催される世界遺産委員会に合わせて登録や手続きの準備をするので、世界遺産登録を目指す自治体からすれば「決勝戦」的な場所であるのかもしれませんね。
※写真はイメージです
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。