フランスの英雄、ナポレオン・ボナパルト(1769〜1821年)は一般的には身長が低い…というイメージがありますが、これは本当にその通りだったのでしょうか?
今回はナポレオンの身長やコンプレックスについて世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ナポレオンの身長やコンプレックスについて具体的に理解できること間違いなし!
なぜ「ナポレオンは低身長」という誤解が広まったのか?

ナポレオンといえば「身長が低かったから、強欲で権力を欲してい戦争を続けた…」というイメージがありますが、実はこれは間違いです。彼の身長は歴史家によると約169cmとされていて、資料によって異なりますが、これは当時のフランスでは成人男性の平均身長とほぼ同じか、やや高いくらいでした。なぜこんな誤解が広まったのか?
それはナポレオンの宿敵であるイギリスでは、彼を「小さな独裁者」として嘲笑するプロパガンダを展開したため。印刷物などの風刺画では、ナポレオンが極端に小さく描かれることが多く、テレビやインターネットもなかったため、彼が実際よりも低身長であったという印象が植え付けられたのです。
「ナポレオン・コンプレックス」という言葉まで作られてしまったが、これも根拠がない



実際に彼の記録によると、ナポレオンが自身の身長を気にしていたという証拠はほとんどありません。むしろ、独裁者というイメージはあまりなく、彼は自身の知性やカリスマ性がリーダーシップへと繋がっていて、人々を圧倒していました。
しかし、この誤解から現代では「ナポレオン・コンプレックス」という言葉が作られ、「低身長の人が権力や攻撃性を誇示しようとする心理的傾向」を指すようになりました。とはいえ、これはナポレオン本人から来たものではなく、なんとなく彼が当てはまってしまったために名付けられたものでしょう。
世界遺産マニアの結論と感想
ナポレオンの身長は約169cm で、当時のフランス人の男性平均とそれほど差はありません。低身長のイメージは誤解やイギリスのプロパガンダによるものが強く、彼自身は身長にコンプレックスを持っていたわけではないのに、可哀想な話ではあります。
とはいえ、ナポレオンはフランスでは支持が強かったですが、周辺国では大いに嫌われていたため、ライバルのイギリスでは少しでもマイナスダメージを与えるための戦略であり、それが今でも効いていると思うと…恐ろしい話ですね。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。