世界遺産という考え方はいつ生まれたのでしょうか?戦争や紛争などを繰り返しつつ、少しずつ作られていったのですが、1961年に採択された、世界遺産条約の前進である「ヴェネツィア憲章」が元になったと言えます。
そんなヴェネツィア憲章(ヴェニス憲章)を世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ヴェネツィア憲章について詳しくなること間違いなし!
ヴェネツィア憲章(ヴェニス憲章)とは?
1964年にイタリアのヴェネツィアで開催された第2回「歴史的記念建造物に関する建築家技術者国際会議」にて採択されたもの。それ以前は、遺跡や建造物などの考え方は国際的に統一され、
・記念物や建造物、遺跡などを芸術作品かつ歴史的証拠として保護
・修復する際は当時の工法、素材を尊重しながら行うこと
・推測による修復の禁止
・誤解を与えないように修復する際はきちんと修復した箇所を明らかにすること
このような方針が決定したのです。
アテネ憲章との違いは?
基本的に「文化遺産を保護する」という理念は、既に1931年に「アテネ憲章」で誕生していたのですが、アテネ憲章はその時代の素材や技法などは無視してもOKだったものの、こちらでは「科学的で歴史学的な検証をしてから、オリジナルに近いように保護しよう」という考え方になりました。
これが世界遺産条約の基本的な概念「真正性」になって、現在も引き継がれています。そして、1965年にヴェネツィア憲章採択の翌年に文化遺産の調査や審査をするICOMOSが作られました。現在のICOMOSは世界遺産リストに登録推薦された遺産の審査をする組織になっています。
世界遺産マニアの結論と感想
正直、アテネ憲章とヴェネツィア憲章の違いは、修復の仕方が違うくらいで、「文化遺産をきちんと保護しようぜ!」という概念はほぼ同じです。これがやがて世界文化遺産の考え方の基礎となっていったという点では、とても大事な概念となった……そこだけ知っておけばOK!
※写真はイメージです
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。