四国は、徳島、香川、愛媛、高知の4つの県がある大きな島で、各地方にそれぞれの文化が見られるというのが特徴。現存天守のある松山城や丸亀城など、歴史的建造物も多いものの…世界遺産はあるでしょうか?
ここでは、四国の世界遺産はあるのか?世界遺産マニアが分かりやすく解説していきましょう。
四国に世界遺産は存在しない?
四国は日本列島を構成する島の一つで、四国地方として独自の文化を持っています。四国の中央部は各県を分断するように山々が並んでいて、それぞれのエリアの交流が困難であったことから、それぞれに国が誕生して「四国」となったという経緯も。国の史跡に登録されている城郭も多く、江戸時代から続く城下町も残っている地区もあります。
しかし、観光客には人気のあるスポットではありますが、どれも世界遺産としては登録されていません。これはなぜでしょうか?
実は世界遺産に登録させるには、世界遺産条約の締約国の政府が世界遺産センター(世界遺産委員会事務局)の協力を受けながら世界遺産候補である「暫定リスト」を作成する必要があるのです。つまり、暫定リストに掲載されていない遺産は、世界遺産に推薦することはできません。
そして、現在の日本の暫定リストには四国の遺産は記載されていないため…残念ながら世界遺産になる可能性は今のところ0%です。まずは、世界遺産になるほどの魅力的なスポットを、世界遺産にする理由を探す段階である限り、世界遺産は生まれないのです。
四国四県は「四国八十八箇所霊場と遍路道」の世界遺産登録を目指している!
現状では四国には世界遺産どころか、暫定リストに登録されるスポットはありません。しかし、四国には空海ゆかりの88か所の札所霊場があり、古くから修行僧が霊場を巡るという伝統は、江戸時代になると盛んになりました。やがて巡礼者は「お遍路さん」と呼ばれるようになり、全長1,400kmに及ぶ壮大な寺院巡拝は今でも「お遍路」として行われています。その遍路は生きた文化遺産として、2006年度から取り組みを実施してきました。
2010年度には「四国八十八箇所霊場と遍路道」世界遺産登録推進協議会が設立され、四国四県や経済団体、市町村、NPO法人によって世界遺産登録を目指しています。とはいえ、まだまだ調査と普及活動がメインとなっていて、暫定リストに至るまでの具体的なプロセスまでは至っていない段階。
世界遺産マニアの結論と感想
残念ながら現状では四国には世界遺産がありません。しかし、四国遍路は世界遺産候補として暫定リストを目指していて、まだまだ登録へは長い道のりですが、その価値は十分あるでしょう。歴史ある巡礼路であるので、その伝統を含めた「文化的景観」として世界遺産を求める人にもおすすめですよ。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。