パリにある凱旋門(エトワール凱旋門)は、フランス有数の観光地で世界遺産に登録されていると思いきや…実は世界遺産じゃないんです。これだけ有名な観光地なのになぜ?
ここでは凱旋門が、なぜ世界遺産でないのか?世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、凱旋門について詳しくなること間違いなし!
パリの凱旋門(エトワール凱旋門)とは?
パリの8区にあり、シャンゼリゼ通り西端のシャルル・ド・ゴール広場の中央にある凱旋門。ここはナポレオン・ボナパルトが1805年にオーストリアとロシアの連合国を破った「アウステルリッツの戦い」の勝利を記念に建設を命じたものではありますが、完成したのは彼の死後1836年となりました。そして、1840年に大西洋のセントヘレナ島からパリへと改装される際にようやくこの門を通ることになったのです。
もともとはこの広場が12本の通りが放射状に延び、エトワール(星)に見えることからここはエトワール広場と呼ばれていました。よって「エトワール広場の凱旋門」というのが正式名称ではありますが、現在では凱旋門といえばこの場所を指すことがほとんど。ここは高さ50mの壮麗な門となっていて、古代ギリシャやローマ建築を彷彿とさせる新古典主義建築であり、彫刻にはナポレオンの過去の戦いの様子が彫られています。
凱旋門(エトワール凱旋門)はなぜ世界遺産として登録されないの?
凱旋門は観光客には人気のあるスポットではありますが、世界遺産としては登録されていません。これはなぜでしょうか?
実は世界遺産に登録させるには、世界遺産条約の締約国の政府が世界遺産センター(世界遺産委員会事務局)の協力を受けながら世界遺産候補である「暫定リスト」を作成する必要があるのです。つまり、暫定リストに掲載されていない遺産は、世界遺産に推薦することはできません。
そして、現在のフランスの暫定リストには凱旋門が記載されていないため…残念ながら世界遺産になる可能性は今のところ0%です。まずは、世界遺産になるほどの魅力的なスポットを、世界遺産にする理由を探す段階である限り、世界遺産は生まれないのです。
世界遺産マニアの結論と感想
残念ながら凱旋門は世界遺産ではありませんが…しかし、それは現段階の話。これからフランス政府が推薦するかもしれないですし、パリ市民の間で世界遺産への登録運動が発生するかもしれないですし…世界遺産になる可能性は、あくまでも「これから」なのです。
ちなみに「凱旋門」として世界最大なのは、エトワール凱旋門と思いきや、実は北朝鮮の平壌にて1982年に築かれた凱旋門。こちらの高さ60mと世界最大でもあります。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。