世界遺産検定準1級とは、2024年7月開催「第56回世界遺産検定」より実施される新たなる検定試験で、既存の1級と2級の間に位置づけられる級となります。しかし、初めて行われる試験だけに、不明な点が多いですよね。そこで、世界遺産マニアが、準1級について現時点で分かっている情報で解説していきます。
まず世界遺産検定とは?
世界遺産検定とは?
まず、世界遺産検定は国の資格ではなく、民間検定です。「NPO法人世界遺産アカデミー」が検定を実地しているもの。彼らの規定では、
「世界遺産検定は、人類共通の財産・宝物である世界遺産を通して、国際的な教養を身に付け、持続可能な社会の発展に寄与する人材の育成を目指した検定です。」
…とのこと。まぁ、平たくいえば「世界遺産の教養を身に着ければ、世界いろいろなところで社会に役立つ人材になれる」ということでしょうか。
世界遺産検定にはランク分けがある
実は世界遺産検定は、マイスター、1級、準1級、2級、3級、4級まで細かくランク分けされていて、ちょっと世界遺産を学びたいという初心者から、世界遺産オタクというべきほどに知識を身につけないと合格できないマイスターと1級があります。
今回ご紹介する準1級というのは、既存の1級と2級の間に位置付けで、難易度の高い1級よりも易しく、手頃な2級よりも難しいという、まさに「ステップアップ」にちょうどよい検定とも言えますね。
どうして準一級が誕生したの?準1級の出題範囲と難易度
世界遺産アカデミーによると、
「2級の試験範囲が日本の全遺産+世界の代表的な遺産300件である一方、1級は約1,200件の全遺産が範囲となっており、世界遺産学習を継続するうえでこの差がハードルになっているというご意見を、受検者・学校関係者の皆様より以前から頂戴してまいりました。」
とのこと。実際に、平均認定率も2級が60%前後であるのに対し、1級は30%前後と大きな開きがあり、難易度が急激に上がるというのは、以前から受験者を苦しめてきました。このギャップを埋めるために創設されたのが、准一級です。
準1級に受かるにはどれくらい正答すれば良い?出題範囲と難易度(予想)
受験資格 | 2級認定※2007年までの初級試験における「シルバー」認定者も含む |
解答形式 | マークシート |
問題数 | 60問 |
試験時間 | 60分 |
合格基準 | 100点満点中60点以上※調整されることも |
まずは、概要を見てみましょう。2級と同じく、60題中半分ちょいを正答すれば合格はできますが、最低でも7割は正答しないと確実ではありません。7割っていうと、簡単そうで意外と難しいですよね。
ちなみに、2級を合格しないと検定の資格は持てないので、合格していない人はまずは2級から始めましょう。
次に出題範囲ですが、
1級:全世界遺産(1123件)
準1級:日本の全遺産+世界の遺産 700件
2級:日本の全遺産+世界の遺産 300件
となっていて、2級は日本を含めて325件覚えればOKだったものが、1級になると急に4倍もの遺産を覚えないといけないので、難易度はかなり上がってしまうのですが、準1級なら2級の2倍ちょっと覚えれば良いので、まさに「準」というのにふさわしいレベルですね。
さらに、準1級ではこれまでとは少し切り口を変えて、「海賊」や「文学」、「無形文化遺産」、「映画」などをテーマが登場するそう。1級のように数をひたすら覚えるというよりも、それぞれの興味から楽しく勉強に取り組める工夫をしているのが嬉しいですね。ニュースにも頻繁に登場する「観光課題」「戦争・紛争」といったテーマも取り上げていて、2級よりも「ふみこんで学ぶ」ことができる級だそう。
合格への最短の道は、公式テキストの購入!今のうちに勉強しておこう
ところで、出題範囲の700件はどの遺産かを確認するには…
『ふみこんで学ぶ世界遺産700』 世界遺産検定事務局著
を購入しないことには始まりません。
世界遺産検定事務局のコメントとしては、
「準1級試験はこのテキストから8割以上が出題されます。」
と記載されているので、少なくともこのテキストをすべて覚えないと合格は難しいでしょう。
もちろん、マイスターや1級合格者なら合格できるかもですが…
そうでばければ、余程の世界遺産オタクでもない限り、テキストを買わずに合格するのは、まず無理!ここはケチケチせずに3500円(税別)を買いましょう。
ちなみに、1級も2級と同じく「やればできる」…まさに世界遺産検定は、全く素人でも対策をすれば合格できる良いシステムだと思いますので、ぜひチャレンジしてみてくださいね!