登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (10) |
登録年 | 2014年 |
インド北部に広がるヒマラヤ山脈の西部に位置する国立公園は、高山や牧草地、川辺の森林など、約900平方kmにも及ぶ広大な敷地となっていて、山頂の氷河や万年雪からは数百万もの河川の水源となっています。ここはヒマラヤ山脈の生物多様性のホットスポットとなっていて、ハイイロジュケイなど絶滅危惧種が生息する25種類の森林が広がっているのが特徴。
ここでは大ヒマラヤ国立公園保護地域がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、大ヒマラヤ国立公園について詳しくなること間違いなし!
大ヒマラヤ国立公園保護地域とは?
インド北部ヒマーチャル・プラデーシュ州にある大ヒマラヤ国立公園は、ヒマラヤ山脈西部に位置していて、ここは山頂の氷河と万年雪によってさまざまな河川の水源となっています。世界遺産としては標高2000mの河川林から標高6000mもの高山の範囲が登録され、ここは国立公園の下流に住む何百万人もの人々の水源となっているものの、地球温暖化による気候変動の影響のために彼らの生活に影響が懸念されているのが現状。
ここはユーラシア大陸に広がる旧北区と南アジアの東洋区という2つの生物地理区の境界に位置し、ヒマラヤ山脈によってモンスーンの影響を受け、森林と高山草原を保護し、さまざまな生体系を維持するという環境が広がっています。ここは広葉樹と針葉樹の2つの森林地帯が見られ、25種類もの森林が存在し、生物多様性を保護されているのが特徴。特にハイイロジュケイやジャコウジカなどの絶滅危惧種が見られるホットスポットでもあります。
大ヒマラヤ国立公園保護地域はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
大ヒマラヤ国立公園が評価されたのが、以下の点。
登録基準(x)
大ヒマラヤ国立公園保護地域は「西ヒマラヤ温帯林」に属していて、ここはヒマラヤ山脈の生物多様性のホットスポットを保護し、固有種の野鳥が見られる地でもあります。805種の維管束植物、192種の地衣類、12種の苔類が生息し、被子植物の約58%は西ヒマラヤの固有のもの。そして、哺乳類は31種、両類は209種、両生類は9種、爬虫類は12種、昆虫類は125種を保護し、ハイイロジュケイやジャコウジカなど絶滅危惧種の生息地となっているという点。
世界遺産マニアの結論と感想
大ヒマラヤ国立公園保護地域は、世界の屋根と呼ばれるだけあって、モンスーンをこの地で防ぐことで、周囲は温帯林が広がるため、生物多様性のホットスポットとなり、固有種や絶滅危惧種が見られるほどにさまざまな動物が生息するという点で評価されています。
ちなみに、インドの最北というとヒマーチャル・プラデーシュ州となり、その北にかつて存在していたジャンムー・カシミール州は、パキスタンや中国との係争地となっていて、現在はラダック連邦直轄領とジャンムー・カシミール連邦直轄領という、インドによる2つの直轄領はあるものの、国境としては曖昧なラインとなっていて、現在も国によって国境ラインの解釈が異なるところ。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。