ギリシャの世界遺産「デロス島」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(2),(3),(4),(6)
登録年1990年

エーゲ海に浮かぶデロス島は、太陽の神アポロと月の女神アルテミスが生まれたという伝説があり、古代ギリシャ時代は巡礼者が多く集まりました。この島では、エーゲ海の交易をしていたイオニア人が紀元前12世紀から暮らしていたとされ、現在は神殿跡などが多く並び、ギリシャでも最大規模の考古学遺跡となっています。

ここではデロス島がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、デロス島について詳しくなること間違いなし!

目次

デロス島とは?

デロス島
画像素材:shutterstock

デロス島は、エーゲ海中央に浮かぶ、約3.5平方kmの小さな島。太陽の神アポロと双子の妹、月の女神アルテミスが生まれたという伝説が残ります。この島はエーゲ海で通商や植民を行っていたイオニア人が12世紀頃に移住し、紀元前9世紀にはアポロン信仰が確立されたとされ、紀元前5世紀にはペルシア帝国に対抗するための諸都市同盟であるデロス同盟が結ばれたことでも有名で、この島が重要視されたのもアポロン神殿があったことが理由でもあります。

紀元前2世紀にはエーゲ海でも最大規模の交易都市に。しかし、紀元前1世紀には外敵の侵入によって島は急速に衰退し、その後は採石場となってしまいました。

デロス島
画像素材:shutterstock

遺跡は19世紀から調査が始まりましたが、ここはギリシャでも最大規模の考古学遺跡となっています。紀元前5〜3世紀に建造されたアポロン神殿、そして、紀元前2世紀建造のアルテミス神殿などを中心にさまざまな神殿や邸宅が島に点在。遺跡からは島のかつての繁栄が見られます。

港から聖域まで続く道の途中には、ライオンのテラスと呼ばれる場所があり、これらは紀元前7世紀にデロス島の南にあるナクソス島の住民から奉納されたもの。現在は7体残っています。

デロス島はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

ライオンの回廊/デロス島
画像素材:shutterstock

デロス島が評価されたのが、以下の点。

登録基準(ii)
デロス島は、ギリシャ最大の考古学遺跡で、当時の芸術がよく分かり、ギリシャ・ローマ時代の建築物や記念碑の発展に大きな影響を与えていたという点。

登録基準(iii)
デロス島は、紀元前7世紀から1世紀までギリシャ世界の聖地の一つで、かつてはここで音楽や競技大会、演劇など、現在のオリンピック同様に主要なイベントの一つが行われた地。遺跡はエーゲ海文明の足跡が残る場所であるということ。

登録基準(iv)
デロス島は、紀元前4世紀以降に繁栄を迎え、各都市から人々が集まる国際港があり、ここには大邸宅や銀行家、貿易業者、船主たちによって公共の施設や神殿などが設立され、それが現在でも残っているという点。

登録基準(vi)
デロス島は、ギリシャ神話と密接に関連していまう。島はアポロとアルテミスの故郷とされ、女神レートーは島内にあるキュントス山でアポロンを産んだという伝説が残っていて、その信仰によって神殿が建造されていったということ。

世界遺産マニアの結論と感想

デロス島は、アポロンとアルテミスが生まれたという伝説があり、ここは古代ギリシャ世界の聖地となったことから、各都市から人々が集まり、国際都市に。現在の考古学遺跡は、豪華な邸宅や数多くの神殿が残ることから、当時の繁栄が見られ、それらはギリシャ・ローマの建築物にも影響を与えているという点で評価されています。

アポロンは、好色のゼウスの息子だけあり、ギリシャ神話でも有名な神。彼の息子とされる、医療の神・アスクレピオスは人間の女性との間に生まれた子供で、他にも女神や一般女性にもいろいろと手を出すという神話もあります。しかし、ゼウスと違って「妻」と思わせる神もいないので、まぁ「ヤンチャ」で済まされるレベルかも…いや、無理か。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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